「明日香村って車がないと回れないのかな」「子どもを連れて、バスだけでいくつ古墳を見られるんだろう」。明日香村は見どころが村のあちこちに散らばっているので、行く前にこんなふうに迷う人は少なくありません。電車で来ると駅からの移動手段が気になりますし、車で来ると今度は駐車場の場所と台数が気になります。
結論からお伝えすると、子連れの明日香観光は近鉄橿原神宮前駅東口から出る明日香周遊バス(赤かめ)の1日フリー乗車券(大人750円・小児380円)を軸にするのがいちばん段取りしやすい方法です。石舞台古墳・高松塚壁画館・飛鳥資料館といった主要スポットの近くにバス停があり、何度乗り降りしても追加の運賃がかかりません。しかも2026年9月1日から高松塚周辺地区の駐車場が利用休止になったため、車より赤かめのほうがラクになる場面が増えています。
この記事では、赤かめの乗り方とフリー乗車券の買い方、半日コースと1日コースの組み立て方、赤かめで行けないキトラ古墳への考え方、そして月曜休館や壁画公開日の確認で失敗しないコツまで、施設と自治体の公式情報をもとに段取り目線でまとめました。
・赤かめ(明日香周遊バス)のルートとフリー乗車券の料金・買える場所
・子連れで無理のない半日コースと、資料館まで回る1日コース
・キトラ古墳・四神の館へ行くときの注意点と、休館日の落とし穴
・車とバスのどちらを選ぶか、年齢別・シーン別の組み立て方
明日香村観光モデルコースバスの基本|赤かめ1日券750円で何ができる?

赤かめは「橿原神宮前から村の主要スポットを一周する」循環バス
明日香観光のバスといえば、まず覚えておきたいのが奈良交通の明日香周遊バス、通称「赤かめ」です。奈良交通の案内では、ルートは橿原神宮前駅東口~明日香奥山・飛鳥資料館西~石舞台~高松塚~飛鳥駅という流れで、村の北東側から南西側へぐるっと回って近鉄飛鳥駅につながります。途中には万葉文化館西口のバス停もあり、明日香の「定番の見どころ」はほぼこのルート沿いに並んでいると考えて大丈夫です。
子連れにとってありがたいのは、出発点が近鉄橿原神宮前駅の東口だという点です。大阪方面・京都方面から電車で来ても、乗り換えは駅の中で完結します。未就学児や小学校低学年の子と一緒だと、駅から見どころまでの長い徒歩移動が一番の負担になりますが、赤かめなら古墳や資料館の近くまで座って移動できます。
注意したいのは、赤かめは村の見どころを「全部」カバーしているわけではないことです。後で詳しく触れますが、キトラ古墳方面へ向かっていた路線は休止されています。ルート沿いのスポットを中心に計画を立て、ルート外は別の手段を考える、という順番で組むと失敗しません。
公式の運行ルートと時刻表は奈良交通「明日香周遊バス」案内ページにまとまっています。出発前に一度目を通しておくと、当日の乗り継ぎで焦らずに済みます。
1日フリー乗車券は大人750円・小児380円、2日間券もある
赤かめを使うなら、フリー乗車券を買うのが基本です。奈良交通の案内によると、料金は次のとおりです。
- 1日フリー乗車券:大人750円、小児380円
- 2日間フリー乗車券:大人1,100円、小児550円
1日フリー乗車券は「周遊バス(かめバス)に一日何度でも乗り降り自由」と案内されています。明日香村の時刻表では、桜井飛鳥線と八木下市線(橿原神宮前駅東口~飛鳥駅間のみ)もフリー乗車券の対象路線とされています。明日香観光は「バスで移動して、降りて見学して、またバスに乗る」の繰り返しになるので、乗るたびに運賃を払うより、最初に1枚買ってしまうほうが財布の管理もラクです。子どもがぐずって予定より早く次のスポットへ移動したくなっても、追加の運賃を気にせず乗れるのは子連れには大きなメリットです。
2日間フリー乗車券は、明日香と橿原を2日かけてゆっくり回りたい人向けです。1日で詰め込みすぎると子どもが疲れてしまうので、「1日目は石舞台と高松塚、2日目は資料館と万葉文化館」のように分けたいときに便利です。
なお、スマートフォンの画面を提示して乗れるモバイルチケットにも対応しています。紙の乗車券を子どもが落としてしまう心配がないのは、地味ながら助かるポイントです。
始発は8:36、最終は16時台。午前スタートが基本
明日香村が掲載している時刻表(令和8年9月1日~令和9年3月31日)では、赤かめの橿原神宮前駅東口発の始発は平日・土日祝とも8:36、最終は平日16:36、土日祝16:51です。日中はおおむね1時間に1本で、平日は毎時36分、土日祝は毎時51分の発車が基本です。17時以降に橿原神宮前駅東口から出るのは「赤かめ循環」系統(平日17:39・18:39・20:02・21:09)になります。
また、令和8年9月19日~11月15日と令和9年3月6日~3月28日の土休日は増便され、およそ30分間隔で運行します(増便期間の土休日は17:21発もあります)。秋の行楽シーズンは本数が増えるので、行く日の時刻表を必ず確認しておきましょう。
見学施設の開館時間と合わせて考えると、朝の早い便で動き出すのが正解です。石舞台古墳は9:00から、高松塚壁画館も9:00から開いていますが、飛鳥資料館は16:30閉館(入館は16:00まで)と早めに閉まります。午後から出発すると、資料館や壁画館に入れる時間が短くなってしまいます。
子連れの場合は、朝食をしっかり食べて午前中に2か所、昼食をはさんで午後に1〜2か所、というペースが目安です。未就学児なら午後は1か所に絞り、帰りのバスに余裕を持って乗るほうが、夕方のぐずりを避けられます。
注意点として、最終便を逃すと駅までの移動手段がぐっと限られます。帰りのバスの時刻は、朝のうちに時刻表の写真を撮っておくなどして、家族全員が確認できるようにしておきましょう。
明日香周遊バスは、明日香村では「赤かめ」、奈良交通の案内では「かめバス」とも表記されています。車体を見つけて子どもと「かめだ!」と盛り上がれるのも、明日香観光のちょっとした楽しみです。
赤かめのフリー乗車券はどこで買う?乗り方で迷わないコツ
橿原神宮前駅で買って、そのまま東口から乗るのがいちばん早い
フリー乗車券の発売場所は、奈良交通の案内によると橿原神宮前駅、飛鳥びとの館、キトラ古墳壁画体験館・四神の館、奈良交通八木案内所、かしはらインフォメーションセンター(駅構内)、セブン-イレブン ハートインJR桜井駅南口店、石舞台駐車場料金所です。明日香村の時刻表では、近鉄橿原神宮前駅(中央改札口)とホテル日航奈良も発売窓口として案内されています。
電車で来る子連れ家族にとって一番スムーズなのは、橿原神宮前駅で買ってそのまま東口のバス乗り場へ向かうルートです。飛鳥駅から入る場合も、駅前の飛鳥びとの館で買えます。車で来て石舞台の駐車場にとめる場合は、駐車場の料金所で買えるので、駐車してすぐバス移動に切り替えられます。
スマートフォンに慣れている人は、モバイルチケットを事前に用意しておくのも手です。窓口に並ぶ時間が省けるので、ベビーカーや荷物を抱えている日ほど効いてきます。
注意したいのは、観光シーズンの週末は駅周辺の窓口が混みやすいことです。発車時刻ぎりぎりに到着すると、乗車券を買っている間にバスが出てしまうこともあります。少なくとも一本前の電車で着く計画にしておくと安心です。
橿原神宮前スタートと飛鳥駅スタート、子連れにはどちらがいい?
赤かめは循環ルートなので、橿原神宮前駅東口から乗っても、飛鳥駅から乗っても村を回れます。どちらから入るかは、最初に見たいスポットで決めるのがおすすめです。
飛鳥資料館や石舞台古墳を先に見たいなら、橿原神宮前駅東口スタートが素直です。ルートの順番どおり、明日香奥山・飛鳥資料館西、石舞台と進むので、午前中の元気なうちに見学の中身が濃いスポットを回れます。
高松塚壁画館から見たいなら、飛鳥駅スタートも選択肢になります。飛鳥駅は高松塚の最寄りエリアに近く、駅前で乗車券も買えます。乳児連れで「まず1か所だけ見て様子を見たい」という家族は、飛鳥駅側から入ると移動が短く済みます。
注意点として、どちらから乗っても一周の途中で降りて次の便を待つことになります。平日は日中の本数が土日祝と異なるので、降りる前に「次の便は何分後か」を必ず確認してから降りましょう。
ベビーカーは畳める準備をしておくと乗り降りがスムーズ
路線バスの車内は通路が広くないため、混雑している時間帯はベビーカーを畳んで乗るほうが周りにも子どもにも安心です。明日香観光ではバスを何度も乗り降りするので、片手でさっと畳めるタイプだと一日のストレスがぐっと減ります。
もうひとつの選択肢が抱っこひもです。石舞台古墳の周辺や飛鳥宮跡などは屋外の見学が中心で、未舗装の道や芝生を歩く場面もあります。0〜1歳児なら、ベビーカーより抱っこひものほうが動きやすいことも多いです。
小学生以上なら、バス停から見学地まで自分で歩いてもらいましょう。歩く距離が長いスポットをあらかじめ伝えておくと、「まだ歩くの?」という不満が出にくくなります。
注意点として、各施設の授乳室・おむつ替えの設備は、施設の公式サイトの主要ページでは詳しい案内が見当たりません。乳児連れの方は、出発前に訪れる予定の施設へ電話で確認しておくと当日慌てずに済みます。駅や大きな施設でおむつ替えを済ませてからバスに乗る、という段取りも効果的です。
赤かめの時刻表は期間ごとに改定されます。平日と土日祝で発車時刻が違うので、「前回来たときと同じ時刻」と思い込まず、訪れる日の曜日の時刻表を奈良交通の公式ページで確認しておきましょう。
子連れ半日コース|石舞台古墳と高松塚を軸にした無理のない回り方

午前は石舞台古墳へ。大人500円・小中高生200円で「石の上の迫力」を体感
半日コースの主役は、明日香観光の代表格である石舞台古墳です。赤かめの「石舞台」バス停で降りれば、古墳はすぐ近くです。見学時間は9:00~17:00(受付16:45まで)で、年中無休。朝一番の便で向かえば、比較的人の少ない時間帯に見学できます。
入場料は2026年4月1日に改定され、個人は一般・大学生500円、小・中・高校生200円です(国営飛鳥歴史公園の改定のお知らせ)。
石舞台古墳は6世紀末~7世紀前期ごろの古墳とされ、蘇我馬子の墓とする説が有力視されています。国内最大級の方墳で、巨大な石が積み上がった姿は迫力があると言われます。「これをどうやって運んだんだろう?」と親子で話しながら見学すると、小学生くらいの子にもイメージがわきやすいでしょう。石室の中にも入れるので、石組みの様子を間近で確かめてみてください。
注意点は、周辺が屋外中心で日陰が少ないことです。夏場は帽子と飲み物、冬場は防寒具を忘れずに。雨の日は足元がぬかるみやすいので、長靴があると子どもが気兼ねなく歩けます。
| 住所 | 奈良県高市郡明日香村島庄 |
| 電話番号 | 0744-54-3240 |
| 営業時間 | 9:00~17:00(受付16:45まで) |
| 定休日 | 年中無休 |
| アクセス | 赤かめバス「石舞台」停車 |
| 駐車場 | あり(有料:普通車500円/中型2,000円/大型3,000円)。※令和8年9月19日~11月15日の土日祝は普通車が完全予約制(2,000円/日)、同期間の平日は1,000円/回 |
| 公式サイト | 公式サイト |
昼からは高松塚壁画館へ。子ども70円で「飛鳥美人」の模写を見られる
石舞台古墳のあとは、赤かめで「高松塚」バス停へ移動し、高松塚壁画館を訪れるのが定番の流れです。開館時間は9:00~17:00(入館は16:30まで)。入館料は大人300円、学生(高校・大学)130円、小人(小・中学)70円と手ごろです(高松塚壁画館 公式ページ)。
館内では、「飛鳥美人」で知られる高松塚古墳壁画の精巧な模写や、石槨の模型を見られます。古墳本体の内部は保存のため密閉されていて、外観の見学のみですが、壁画館の展示で「中がどうなっているのか」を知ってから古墳の外観を見ると、子どもにも古墳のイメージがつかみやすくなります。
館内展示は屋内なので、雨の日や真夏の暑い日の「避難場所」としても使えます。午前に石舞台で外を歩いたあと、午後は室内でゆっくり、という組み合わせは未就学児連れにもおすすめです。
注意点として、休館日は12月29日~翌1月3日と、4・7・11・2月の第2月曜日(祝日の場合は翌平日)です。月曜に訪れる場合は、その月が該当月かどうかを必ず確認しておきましょう。
| 住所 | 奈良県高市郡明日香村大字平田439 |
| 営業時間 | 9:00~17:00(入館16:30まで) |
| 定休日 | 12月29日~1月3日、4月、7月、11月、2月の第2月曜日(祝日の場合は翌平日) |
| アクセス | 赤かめバス「高松塚」停車 |
| 駐車場 | 利用休止(2026年9月1日から) |
| 公式サイト | 公式サイト |
半日で終えるなら飛鳥駅から帰ると移動がシンプル
石舞台古墳と高松塚壁画館の2か所を見たら、子連れの半日コースとしては十分な満足度です。高松塚バス停からは赤かめで飛鳥駅へ出られるので、そのまま近鉄で帰路につけます。「橿原神宮前駅東口から入って、飛鳥駅から出る」というルートは、赤かめの循環の流れにも沿っていて無駄がありません。
この半日コースは、特に3〜6歳の未就学児連れに向いています。見学スポットが2か所に絞られているので、子どもの集中力が切れる前に帰れますし、昼寝の時間を帰りの電車に合わせることもできます。祖父母と一緒のおでかけでも、歩く距離が抑えられるのでちょうどいい負担感です。
時間と体力に余裕があれば、石舞台古墳と高松塚の間で、ルート沿いの橘寺に寄るのも一案です。聖徳太子ゆかりのお寺で、個人の拝観料は大人500円(令和8年4月1日~)、中高生300円、小学生200円です。
注意点として、半日コースは「朝から出発すること」が前提です。昼過ぎに到着すると、壁画館の入館締め切り(16:30)が迫ってしまい、落ち着いて見られません。
半日コースは「午前=屋外の石舞台古墳、午後=屋内の高松塚壁画館」の順が鉄則。暑さ・寒さ・雨の影響を受けやすい屋外スポットを、子どもが元気な朝のうちに済ませておくのがコツです。
1日かけて回るなら?資料館・飛鳥寺・万葉文化館を加えたフルコース
朝一番は飛鳥資料館。18歳未満は入館料がかからない
1日かけて回るなら、赤かめのルートの早い段階にある飛鳥資料館からスタートするのがおすすめです。バス停は「明日香奥山・飛鳥資料館西」。開館時間は9:00〜16:30(入館は16:00まで)で、閉館が早めなので、午前中に訪れておくのが安全です。
入館料は一般350円、大学生200円で、70歳以上・高校生及び18歳未満は無料です(飛鳥資料館 公式サイト)。子どもの入館料がかからず、祖父母が70歳以上なら大人も負担なしで入れるので、三世代のおでかけにはとくに使いやすい施設です。
運営は奈良文化財研究所で、6世紀から8世紀の飛鳥地方の歴史と文化を、考古資料を中心に紹介しています。飛鳥時代の土器や石造物、仏像などが並ぶので、「古墳って何?」「昔の人は何を使っていたの?」という小学生の疑問に答えてくれる展示です。先に資料館で予習してから古墳を回ると、子どもの反応が変わってきます。
注意点として、休館日は毎週月曜日(祝日と重なれば翌平日)です。年末年始はR8/12/23~R9/1/3と長めの休館なので、冬休みの計画では特に気をつけましょう。
| 住所 | 〒634-0102 奈良県高市郡明日香村奥山601 |
| 電話番号 | 0744-54-3561 |
| 営業時間 | 9:00~16:30(入館16:00まで) |
| 定休日 | 毎週月曜日(祝日と重なれば翌平日)、年末年始(R8/12/23~R9/1/3) |
| アクセス | 赤かめバス「明日香奥山・飛鳥資料館西」停車 |
| 公式サイト | 公式サイト |
飛鳥寺・飛鳥宮跡・酒船石で「飛鳥の中心部」を歩いてつなぐ
資料館のあとは、飛鳥寺・飛鳥宮跡・酒船石遺跡といった「飛鳥の中心部」のスポットを歩いてつなぐのが1日コースの醍醐味です。どれも見学時間が短めなので、子どもが飽きる前に次へ移れます。
飛鳥寺は596年に建立された日本最初の本格的寺院とされ、本尊の飛鳥大仏は日本最古の仏像として知られています。拝観料は個人で一般・大学生500円、中・高校生300円、小学生250円。拝観時間は4月~9月は9:00~17:30(受付17:15まで)、10月~3月は9:00~17:00(受付16:45まで)です。
飛鳥宮跡は飛鳥時代の宮殿遺跡で、終日開放されており無料で見学できます。発掘調査で明らかになった石敷き広場や石組みの井戸が復原されていて、広々とした空間は子どもが少し体を動かす休憩スポットにもなります。奈良交通のモデルコースでは「岡戎前」バス停で下車して訪れる流れになっています。
酒船石遺跡では、謎の石造物「酒船石」は終日見学でき無料です。丘のふもとの亀形石造物は、文化財保存協力金として高校生以上300円、小・中学生200円で、見学時間は9:00~17:00(12~2月は16:00まで)です。亀の形をした石は、子どもにも「かめバス」とつなげて話しやすい見どころです。
注意点として、これらのスポットの間の移動は徒歩が中心です。未就学児連れなら全部を回ろうとせず、飛鳥寺と飛鳥宮跡の2か所に絞るくらいがちょうどいいでしょう。
| 住所 | 奈良県高市郡明日香村飛鳥682 |
| 電話番号 | 0744-54-2126 |
| 営業時間 | 4月~9月 9:00~17:30(受付17:15まで)、10月~3月 9:00~17:00(受付16:45まで) |
| 定休日 | 年中無休(特別な事情がある場合を除く) |
| アクセス | 赤かめバス「飛鳥大仏」下車 |
| 駐車場 | あり |
| 公式サイト | 公式サイト |

午後の休憩は万葉文化館。一般展示室は入館料なしで入れる
歩き疲れたら、「万葉文化館西口」バス停近くの奈良県立万葉文化館で一息つきましょう。開館時間は10:00~17:30(入館は17:00まで)と、ほかの施設より夕方遅くまで開いているのがポイントです。
奈良県の案内によると、一般展示室・特別展示室は無料で、有料の企画展も国内の18歳未満と小・中・高校生は全日観覧料が免除されます(奈良県立万葉文化館 利用案内)。古代の暮らしと万葉集をテーマにした資料や映像の展示があり、屋内でゆっくり過ごせるので、雨の日の代替先としても頼りになります。
2026年10月17日~12月6日には、開館25周年の特別展「高照らすみやこ」の開催が予定されています。観覧料は一般1,200円、高・大学生500円、小・中学生300円で、国内の小・中学生、高校生と18歳未満は無料とされています。秋に訪れる家族は、赤かめの1日コースに組み込んでおくとよいでしょう。
注意点として、休館日は月曜日(祝日の場合は翌日の平日)、年末年始、展示替日です。展示替日は不定期なので、訪れる前に公式サイトのお知らせを確認しておきましょう。
| 住所 | 奈良県高市郡明日香村 |
| 営業時間 | 10:00~17:30(入館17:00まで) |
| 定休日 | 月曜(祝日の場合は翌平日)、年末年始、展示替日 |
| アクセス | 赤かめバス「万葉文化館西口」停車 |
| 駐車場 | 普通自動車107台(500円/当日1回)、バス7台(3,000円/当日1回) |
| 公式サイト | 公式サイト |
飛鳥資料館は70歳以上も入館料がかからないので、祖父母と一緒の三世代おでかけでは「朝いちばんに資料館」が家族全員の負担を軽くする定番の入り方です。万葉文化館の一般展示室も入館料がかからず、屋内で座って休める場所として午後の予定に入れておくと安心です。
失敗パターン:月曜日に行って資料館も万葉文化館も休館だった
明日香の1日コースで意外と多いのが、月曜日に出かけて屋内施設が軒並み休館だったという失敗です。飛鳥資料館は毎週月曜日、万葉文化館も月曜日が休館日です。さらに高松塚壁画館も4・7・11・2月は第2月曜日が休館になります。
原因は、「古墳や遺跡は屋外だからいつでも見られる」というイメージのまま、屋内施設の休館日を確認せずに計画してしまうことです。石舞台古墳や飛鳥宮跡は開いていても、雨が降ったときの逃げ場になる屋内施設が閉まっていると、子連れでは一気に行き場がなくなります。
対策は、月曜日を避けて計画することに尽きます。どうしても月曜日しか都合がつかない場合は、屋外中心の半日コース(石舞台古墳・飛鳥宮跡・飛鳥寺など)に切り替え、雨の予報なら日程を変える判断も必要です。祝日の月曜日は開館して翌平日が休館になる施設が多いので、連休の計画ではとくに休館日を施設ごとに見比べておきましょう。
もうひとつの注意点は、飛鳥資料館の年末年始の休館が長いことです。冬休みの帰省に合わせて明日香を訪れる計画なら、この期間を外すようにしてください。
| 施設 | 開館時間 | 主な休館日 | 子どもの料金 |
|---|---|---|---|
| 石舞台古墳 | 9:00~17:00 | 年中無休 | 小・中・高校生200円 |
| 高松塚壁画館 | 9:00~17:00 | 4・7・11・2月の第2月曜日ほか | 小・中学70円 |
| 飛鳥資料館 | 9:00〜16:30 | 毎週月曜日 | 18歳未満は入館料なし |
| 万葉文化館 | 10:00~17:30 | 月曜日・展示替日 | 一般展示室は入館料なし |
| 四神の館 | 9:30~17:00(冬季は16:30まで) | 4・7・11・2月の第2月曜日ほか | 入館料なし |
| 飛鳥寺 | 9:00~17:30(10月~3月は17:00まで) | 年中無休(特別な事情を除く) | 中高生300円・小学生250円 |
※奈良おでかけノート調べ。各施設・自治体の公式情報をもとに整理。休館日は主なもののみ掲載しています。
キトラ古墳・四神の館へは赤かめで行ける?ルート外スポットの考え方
飛鳥キトラ線は休止中。赤かめの定時ルートからは外れている
明日香観光を調べていると、「キトラ古墳にもバスで行ける」という古い情報を目にすることがあります。しかし国営飛鳥歴史公園のお知らせによると、令和4年12月1日から飛鳥キトラ線(飛鳥駅~キトラ間)は休止されています。現在の赤かめの定時ルートは、橿原神宮前駅東口から飛鳥駅までの区間で、キトラ古墳方面へは向かいません。
ただし、2026年9月19日~10月18日の土日祝は、キトラ古墳壁画の特別公開に合わせて飛鳥駅⇔キトラ古墳⇔高松塚の臨時バスが運行されます。運行時間は9:00~17:30で1時間に2本、運賃は大人220円・小児110円で、赤かめのフリー乗車券は使えません(奈良交通のお知らせ)。
代わりに明日香村が導入したのが「あすかデマンド乗合交通」です。事前予約制で、需要に応じて運行するオンデマンド方式の乗合交通として、飛鳥キトラ線の休止に伴う代替の役割を担っています。予約はWeb予約サイトから行う仕組みで、乗降場所のマップも明日香村の案内ページに掲載されています(明日香村「あすかデマンド乗合交通」案内)。
明日香村の時刻表・路線図によると、運賃は1人500円/1回(現金のみ)、運行時間は9:00~17:00で、毎日運行(年末年始は運休)です。利用には事前登録が必要で、予約はWeb予約サイトのほか電話(0744-54-5550)でも受け付けています。
注意点として、デマンド交通は「来たバスに乗る」路線バスとは違い、予約がないと利用できません。当日思い立ってキトラへ向かう、という動き方はしにくいので、行くと決めたら前日までに段取りを整えておきましょう。
四神の館は入館料なし。壁画の実物公開は事前申込みが必要
キトラ古墳のすぐそばにあるのが、キトラ古墳壁画体験館「四神の館」です。奈良文化財研究所の案内によると、開館時間は3月~11月が9:30~17:00、12月~2月が9:30~16:30で、入室は閉室30分前までです。入館料はかかりません(国営飛鳥歴史公園「キトラ古墳周辺地区」見どころ)。
館内では、四神や天文図が描かれたキトラ古墳壁画の世界を体験型の展示で学べます。朱雀・玄武・青龍といった四神の話は、戦隊ものやゲームが好きな小学生の心をつかみやすいテーマです。国宝キトラ古墳壁画の実物を見られる公開期間もありますが、こちらは事前申込みが必要です。勾玉づくり体験などの有料プログラムもあるので、工作好きの子には楽しい時間になるでしょう。
四神の館は赤かめのフリー乗車券の発売場所にもなっています。キトラ方面を先に訪れてから、飛鳥駅経由で赤かめのルートへ合流する回り方も考えられます。
乳児連れにうれしいのは、公式の案内で「館内には授乳室をご用意しています」と明記されていることです。車いすの無料貸し出しもあります。キトラ古墳周辺地区の多目的トイレにはおむつ替えシートも設置されています。
| 住所 | 〒634-0134 奈良県高市郡明日香村阿部山67 |
| 電話番号 | 0744-54-5105 |
| 営業時間 | 3月~11月 9:30~17:00、12月~2月 9:30~16:30(入室は閉室30分前まで) |
| 定休日 | 12月29日~1月3日、4・7・11・2月の第2月曜日(祝日の場合は翌日) |
| アクセス | 赤かめの定時ルート外 |
| 公式サイト | 公式サイト |
失敗パターン:壁画の実物公開日を確認せずにキトラへ行った
キトラ方面でありがちなのが、「国宝の壁画が見られる」と思って出かけたら、実物の公開期間ではなかったという失敗です。四神の館の地階展示室は通年で見学できますが、キトラ古墳壁画の実物公開は期間限定で、事前登録制です。
原因は、四神の館(体験館)と、館内1階にある文化庁の「キトラ古墳壁画保存管理施設」の案内を区別せずに調べてしまうことです。国営飛鳥歴史公園の案内では、四神の館の休館日は12月29日~1月3日と、4・7・11・2月の第2月曜日(祝日の場合は翌日)だけです。一方、壁画保存管理施設は、壁画を公開していない時期は水曜(祝日の場合は翌日)や臨時作業日も閉室になります。
対策は、実物の壁画を見たいなら、公開期間と事前登録の方法を先に確認してから日程を決めることです。展示室の見学や勾玉づくりなどの体験が目的なら、休館日以外はいつでも訪れられます。公開期間中の土日祝は人出が増えるので、移動の時間には余裕を持たせましょう。
もうひとつの注意点として、四神の館は冬季(12月~2月)は16:30閉館です。冬のキトラ訪問は午前中に予定を組んでおくと、帰りの移動も含めて落ち着いて動けます。
車かバスか?2026年9月からの駐車場事情で変わった選び方
失敗パターン:高松塚の駐車場に向かったら利用休止だった
車で明日香を訪れる家族が今もっとも気をつけたいのが、高松塚周辺の駐車場です。高松塚壁画館の案内によると、令和8年9月1日(火)より、国営飛鳥歴史公園高松塚周辺地区駐車場は利用休止となっています。
ありがちな失敗は、以前の記事や地図アプリの情報を頼りに高松塚の駐車場を目的地に設定し、到着してから利用休止に気づくパターンです。子どもを乗せたまま周辺で駐車場を探し回ることになり、せっかくの見学時間が削られてしまいます。
原因は、駐車場の情報が施設の案内より更新が遅れて広まりやすいことです。とくにナビや過去の旅行ブログは、利用休止のような最新の変更を反映していないことがあります。
対策は、車で来る場合も駅周辺など村の外側に車を置き、村内は赤かめで移動することです。明日香村と国営飛鳥歴史公園は、世界遺産登録に伴う混雑対策として公共交通機関での来訪を呼びかけています。石舞台古墳の有料駐車場は、令和8年9月19日~11月15日の土日祝は普通車が完全予約制(2,000円/日)、同期間の平日は予約なしで1,000円/回です。また、同じ期間は国営飛鳥歴史公園の石舞台地区駐車場が二輪車専用駐輪場になり、普通車は止められません(明日香村観光サイトの駐車場案内)。高松塚バス停の道路向かいには民営駐車場(普通車500円・予約不可、空きがあれば駐車可)もありますが、台数に限りがあります。
車で行くなら「駐車場1か所+赤かめ」の組み合わせが効率的
明日香は見どころが村内に点在しているため、車で来ても施設ごとに駐車場を探して移動すると、そのたびに駐車料金と駐車場探しの手間がかかります。そこで考えたいのが、駐車場を1か所に決めて、あとは赤かめで回るという方法です。
主な駐車場の情報を整理すると、万葉文化館の駐車場は普通自動車107台、普通車500円/当日1回。石舞台古墳の駐車場は通常は普通車500円ですが、令和8年9月19日~11月15日の土日祝は完全予約制(2,000円/日)、同期間の平日は1,000円/回です。飛鳥寺にも駐車場があります(料金・台数は公式サイトに記載なし)。万葉文化館は台数が多く、バス停「万葉文化館西口」も近いので、車と赤かめを組み合わせる拠点として使いやすい場所です。
この方法は、ベビーカーや着替えなど荷物の多い乳児連れにとくに向いています。大きな荷物は車に置いておき、見学に必要なものだけを持ってバスに乗れば、身軽に動けます。子どもが疲れたら車に戻って休ませることもできます。
注意点として、観光シーズンの週末は駐車場が早い時間に埋まることがあります。紅葉や桜の季節は、開館時間より前に着くつもりで出発しましょう。また、万葉文化館の駐車場は月曜日などの休館日の扱いを事前に確認しておくと安心です。
電車派・車派それぞれのメリットとデメリット
最終的に電車+赤かめで行くか、車+赤かめで行くかは、家族構成と出発地で決めるのが一番です。それぞれの特徴を整理してみましょう。
| 電車+赤かめのメリット | 電車+赤かめのデメリット |
|---|---|
| 駐車場探しと渋滞のストレスがない 1日フリー乗車券で移動費が読める 大人も疲れたら車内で休める | 荷物をすべて持ち歩く必要がある バスの時刻に行動が縛られる キトラ方面は別の手段が必要 |
電車+赤かめは、小学生以上の子どもがいて荷物が少ない家族や、運転する大人が1人しかいない家族に向いています。運転の負担がないので、親も見学に集中できます。
車+赤かめは、0〜2歳の乳児連れや、祖父母と一緒で歩く距離をできるだけ減らしたい家族に向いています。車を「動く休憩所」として使えるのが強みです。
注意点として、どちらを選んでも、村内の移動は赤かめの時刻表が基準になります。車で来たからといって施設ごとに車で移動すると、駐車場探しで時間がかかり、結局バスより遅くなることもあります。

明日香村観光モデルコースバスを年齢別・シーン別にどう組む?
乳児・未就学児連れは「屋内1か所+屋外1か所」で十分
0〜6歳の子と一緒なら、欲張らずに屋内1か所と屋外1か所に絞るのが成功のコツです。たとえば「午前に石舞台古墳、午後に高松塚壁画館」の半日コースや、「午前に飛鳥資料館、午後に飛鳥宮跡で少し体を動かす」組み合わせが向いています。
理由は、明日香のスポットはバスを降りてから少し歩くところが多く、見学そのものより移動のほうが子どもの体力を使うからです。飛鳥資料館は18歳未満の入館料がかからず、高松塚壁画館も子ども70円と、小さな子が途中で飽きても損をした気分になりにくいのは救いです。
乳児連れは授乳やおむつ替えのタイミングを先に決めておきましょう。駅や施設で済ませてからバスに乗るようにすると、移動中に困る場面が減ります。各施設の設備は公式サイトの主要ページで詳しく見当たらないので、気になる施設には事前に電話で確認しておくと安心です。
注意点として、昼寝の時間とバスの時刻がずれると、子どもがぐずりやすくなります。帰りのバスは余裕を持って1本早めに乗るくらいの気持ちで計画しましょう。
小学生連れは「資料館で予習→古墳で答え合わせ」が盛り上がる
小学生と一緒なら、1日フリー乗車券を使って資料館と古墳をセットで回るコースがおすすめです。朝に飛鳥資料館で飛鳥時代の予習をして、石舞台古墳や高松塚壁画館で答え合わせをする流れにすると、子どもの「なんで?」が「そういうことか!」に変わっていきます。
料金面でも小学生連れは組みやすく、赤かめの1日フリー乗車券は小児380円、飛鳥資料館は18歳未満の入館料がかからず、石舞台古墳は200円、高松塚壁画館は70円です。万葉文化館の一般展示室も入館料がかからないので、子どもの費用を抑えながら4か所を回れます。
夏休みの自由研究のテーマ探しにも向いています。石舞台古墳の石の大きさ、高松塚古墳の壁画、万葉集の歌など、明日香は「調べて書く」題材の宝庫です。見学のたびに写真を撮っておくと、あとでまとめるときに役立ちます。
注意点は、欲張って1日に5〜6か所を詰め込むと、どれも駆け足になってしまうことです。小学生でも3〜4か所を目安にし、1か所に30分以上かける時間を作ると満足度が上がります。
実は「2日間フリー乗車券」が子連れの最適解になることも
意外と知られていないけれど、子連れの明日香観光では2日間フリー乗車券(大人1,100円・小児550円)が一番コスパのいい選択になることがあります。
多くのモデルコースは「1日で明日香の見どころを全部回る」前提で組まれています。しかし子連れでそれをやると、移動と見学の連続で子どもも大人も疲れ切ってしまい、後半のスポットはほとんど記憶に残らないということになりがちです。
2日間フリー乗車券なら、1日目は石舞台古墳と高松塚壁画館、2日目は飛鳥資料館と飛鳥寺・万葉文化館のように分けて、1日あたりの見学を2〜3か所に抑えられます。近くの橿原エリアで1泊する家族や、奈良県内から2週続けて通う家族にとっては、1日券を2回買うより割安で、ゆとりのある旅程が組めます。
注意点として、2日間フリー乗車券の有効日の扱いは、奈良交通の案内ページで購入前に確認しておきましょう。別々の週に分けて使う予定なら、1日券を2回買うことも含めて比べてから購入するのが安心です。

雨の日は屋内施設をはしごするコースに切り替える
当日雨が降ってしまったら、屋内施設だけをつなぐコースに切り替えましょう。赤かめのルート沿いには、飛鳥資料館・万葉文化館・高松塚壁画館と、屋内で過ごせる施設が3つあります。
たとえば、朝は飛鳥資料館で展示を見て、昼前後は万葉文化館でゆっくり過ごし、午後に高松塚壁画館へ移動する流れです。万葉文化館は10:00開館で17:30まで開いているので、雨宿りを兼ねた長めの滞在にも向いています。この3館は子どもの料金がかからないか低めなので、雨で予定が変わっても出費がかさみにくいのも助かります。
屋外の石舞台古墳は、雨の日は足元がぬかるみやすく、子連れには難易度が上がります。どうしても見たい場合は、雨が小降りになったタイミングで短時間だけ訪れるくらいの気持ちでいましょう。
注意点として、この雨の日コースは月曜日には成立しません。飛鳥資料館と万葉文化館がそろって休館になるためです。雨の予報が出ている月曜日は、思い切って日程を変えることも検討してください。
雨の日コースで頼りになる屋内施設は、飛鳥資料館と万葉文化館が月曜日休館、高松塚壁画館が4・7・11・2月の第2月曜日休館です。雨の月曜日は屋内の選択肢がほとんどなくなるので、日程をずらすのが無難です。
まとめ
最初の一歩は、訪れたい日の曜日を決めて、奈良交通の公式ページで赤かめのその曜日の時刻表を確認することです。始発に合わせて家を出る時間を逆算すれば、あとは石舞台古墳と高松塚壁画館を軸に、子どものペースで予定を足していくだけです。
※料金・時刻・休館日は変更されることがあります。最新情報は各施設・奈良交通の公式サイトでご確認ください。

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