「明日香でキトラ古墳の壁画が見られるらしいけれど、子どもを連れて行って楽しめるの?」「本物の国宝はいつでも見られるの?」――週末の行き先を探していると、こんな疑問にぶつかりますよね。キトラ古墳の壁画は古墳から取り外されて保存されていて、その実物と、実物を分かりやすく伝える展示の両方が集まっているのが「キトラ古墳壁画体験館 四神の館」です。
先に結論をお伝えすると、四神の館は入館料が無料で、地階展示室の高精細映像や原寸大の石室模型は開館日ならいつでも見られます。一方、国宝の壁画実物は1階の文化庁キトラ古墳壁画保存管理施設で期間限定・事前申込制の公開のときだけ。水曜休館、最寄り駅から歩くと距離がある、といった段取りの落とし穴もあります。
この記事では、奈良文化財研究所・文化庁・国営飛鳥歴史公園・明日香村の公式情報をもとに、館内の構成、壁画公開の申し込み方、休館日、駐車場とデマンド交通の使い分け、授乳室やトイレの場所、高松塚壁画館とのはしごのコツまで、子連れの段取り目線でまとめました。
・無料で見られる地階展示室と、事前申込制の国宝壁画公開の違い
・水曜休館と「1階だけ閉室」の日に空振りしない方法
・無料駐車場2か所、壺阪山駅から徒歩15分、デマンド交通の使い分け
・授乳室・多目的トイレ・お弁当を広げられる芝生広場の情報
キトラ古墳壁画体験館 四神の館は無料でどこまで楽しめる?館内の3つのゾーン

地階展示室は入館料無料、原寸大の石室模型で「古墳の中」を体感できる
四神の館の入館料は無料です。財布を気にせず、子どもの機嫌しだいで短時間だけ立ち寄れるのは、子連れにはありがたいポイントですよね。地階展示室では、高精細映像や原寸大の石室模型を通じてキトラ古墳と古代飛鳥について学べるようになっています。
キトラ古墳の石室は、二上山産の凝灰岩の切石18個でできた小さな空間です。本や写真だと「壁に絵が描いてある」くらいの印象で終わりがちですが、原寸大の模型があると「この狭い部屋の四方の壁に四神が描かれていたんだ」と、大きさの感覚ごと伝わります。未就学児なら「青い龍はどこにいるかな」と探すゲーム感覚で、小学生なら「どうして北を向いた白虎が珍しいの?」と一歩踏み込んだ会話に広げられます。
注意したいのは、地階展示室にあるのはあくまで映像と模型で、壁画の実物ではないことです。「本物を見に行こう」と子どもに話して出かけると、公開期間外なら「本物じゃないの?」とがっかりされることも。事前に「今日は模型と映像で、壁画のひみつを見に行くよ」と伝えておくと、期待値のずれを防げます。開館時間は9:30~17:00(3月~11月)、9:30~16:30(12月~2月)で、入室は閉室30分前までです。
| 住所 | 〒634-0134 奈良県高市郡明日香村大字阿部山67 |
| 電話番号 | 0744-54-5105 |
| 営業時間 | 9:30~17:00(3月~11月)、9:30~16:30(12月~2月)※入室は閉室30分前まで |
| 定休日 | 水曜(祝日の場合は翌平日)、4・7・11・2月の第2月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始(12月29日~1月3日) |
| アクセス | 近鉄吉野線 壺阪山駅より徒歩15分、近鉄吉野線 飛鳥駅より徒歩30分。近鉄飛鳥駅から「あすかデマンド乗合交通」(事前予約制)も利用可。停留所『キトラ古墳・四神の館』は来訪者も利用可能な共通停留所 |
| 駐車場 | キトラ古墳周辺第一駐車場(無料・普通18台、身障者用2台、大型6台)、キトラ古墳周辺第二駐車場(無料・普通40台、身障者用2台) |
| 公式サイト | 公式サイト |
1階は文化庁の保存管理施設、国宝の実物は公開期間だけ見られる
1階は「文化庁キトラ古墳壁画保存管理施設」です。保存のために石室から取り出された壁画の実物が保管されていて、期間限定・事前申込制で公開されます。つまり、同じ建物の中でも地階と1階では運営も見学ルールも別物だと考えておくと混乱しません。
公開期間中は、国宝の壁画を目の前で見られる貴重な機会になります。令和8年9月19日(土)~10月18日(日)の第41回公開は、四神の館10周年を記念して南壁「朱雀」・北壁「玄武」・東壁「青龍」の3面を同時公開する内容です。四神のうち3つを一度に見られるので、小学生で歴史や絵に興味が出てきた子なら、見比べる楽しさがあります。
一方で、1階は毎週水曜と作業日にも閉室します。さらに臨時閉室もあり、2026年には8月31日(月)~9月2日(水)、9月16日(水)~9月18日(金)に1階展示室が閉室しました。「開館日なのに1階は閉まっていた」ということが起こりうるので、壁画実物が目的の日は、四神の館の公式サイトのお知らせと文化庁の公開ページの両方を前日に見ておくのが安心です。
別館の体験学習室は土日祝に当日受付、勾玉づくりに挑戦できる
展示を見るだけでは子どもが飽きてしまう、というご家庭には別館の体験学習室が頼りになります。勾玉づくりなど、キトラ古墳と古代飛鳥に関わる体験プログラム(有料)が用意されていて、土日祝日なら当日受付で体験できます。
手を動かす体験は、展示を「見た」だけで終わらせず、「自分で作った勾玉」という形で記憶に残るのが強みです。小学生なら学校の自由研究のきっかけにもなりますし、祖父母と一緒のおでかけなら、大人がゆっくり展示を見ている間に子どもが体験に集中する、という分担もしやすくなります。
注意点として、体験の料金やプログラムの内容・所要時間は時期によって変わる可能性があります。平日の実施状況も含め、公式サイトの主要ページでは詳細が見当たらないこともあるため、体験を目当てにする日は四神の館へ電話で確認してから出かけると確実です。未就学児が参加できるかどうかも、あわせて聞いておきましょう。
休憩所・売店と自動販売機、オリジナルグッズもここで買える
館内には休憩所と売店があり、自動販売機も置かれています。キトラ古墳のオリジナルグッズも販売されているので、四神や天文図にちなんだおみやげを選ぶ楽しみもあります。
明日香村のキトラ古墳周辺は、駅前のような商店街がある場所ではありません。夏場や子どもの「のどかわいた」に即対応できる自動販売機が館内にあるのは、段取り面で大きな安心材料です。展示を見終わったあとに休憩所で一息つき、次の移動に備えて水分補給をしておく、という流れを組んでおくと、そのあとの古墳鑑賞広場や芝生広場での時間が快適になります。
ただし、売店はレストランではないため、しっかりした食事をとる場所としては考えないほうが無難です。お昼をはさむ日は、次の章以降で紹介する四神の広場でお弁当を広げるか、明日香村の中心部で食べる計画にしておきましょう。
本物の国宝壁画を見るには?事前申込制の公開のしくみ
第41回は朱雀・玄武・青龍の3面同時公開、10月18日(日)まで
国宝キトラ古墳壁画の実物は、四神の館1階の文化庁キトラ古墳壁画保存管理施設で、年に数回の公開期間を設けて見られるようになっています。令和8年は第40回として2026年8月1日~8月30日に西壁「白虎」が公開され、続く第41回は令和8年9月19日(土)~10月18日(日)の日程です。
第41回は四神の館10周年の記念公開で、南壁「朱雀」・北壁「玄武」・東壁「青龍」の3面が同時に並びます。高松塚古墳では失われていた朱雀が、キトラ古墳には残っていた――というのがキトラ古墳の大きな特徴の一つなので、朱雀を実物で見られる回は特に注目度が高いと考えておきましょう。
公開時間は9時30分~16時30分で、最終受付は16時15分です。期間中でも9月30日(水)・10月14日(水)は閉室日なので、この2日は避けてください。小さな子ども連れなら、到着直後で子どもの集中力が残っている時間帯に申し込むのがおすすめです。
申込は事前制、空きがあれば第二次応募・当日受付もある
壁画の公開は事前申込制です。文化庁の公開ページから申し込み、決まった時間帯に入室する流れになります。人気の回は希望の時間が埋まることもあるので、公開の告知が出たら早めに動くのが基本です。
ただし「申し込みを逃したらもう見られない」とあきらめる必要はありません。文化庁の案内では、定員に達していない時間帯は第二次応募・当日受付も行うとされています。家族の予定が直前まで決まらない場合でも、第二次応募や当日受付の情報を公開ページで確認すれば、見学できる可能性があります。
子連れでの注意点は、入室時間が決まっていることです。移動中の渋滞やデマンド交通の予約時間との兼ね合いで、指定の時間に間に合わないリスクがあります。地階展示室は時間の縛りがないので、「先に1階の壁画見学、そのあと地階で模型と映像」の順にしておくと、遅刻の心配が小さくなります。
公開期間外は地階展示室がメイン、それでも行く価値はある
壁画の実物公開は期間限定なので、ふらっと訪れた日はたいてい公開期間外です。「それなら行っても意味がないのでは」と思うかもしれませんが、実は子連れの場合は公開期間外のほうが動きやすい面もあります。
公開期間中は事前申込や入室時間の縛りがあり、見学者も増えます。一方、期間外なら入館料無料の地階展示室を自分たちのペースで回れ、原寸大の石室模型の前で子どもが立ち止まっても気を遣わずに済みます。本物の壁画は長い年月を経て色が薄くなっている部分もあるため、幼児にとっては映像や模型のほうが「何が描かれているか」をつかみやすいのも事実です。
注意点として、公開期間外でも1階は水曜・作業日に閉室しますが、地階展示室の見学には影響しません。期間外に行く日は「映像と模型で予習する日」、公開期間は「本物を確かめる日」と位置づけて、2回に分けて訪れる計画も立てやすいです。
水曜に行って空振りしないための開館時間と休館日チェック

開館時間は季節で変わる、冬は16:30閉室
四神の館の開館時間は9:30~17:00(3月~11月)、9:30~16:30(12月~2月)です。入室は閉室30分前までなので、冬場は閉室の30分前を過ぎると入れません。
子連れで明日香をまわる日は、午前中に石舞台古墳や飛鳥寺など村の中心部を見て、午後にキトラ古墳へ南下する、という順番になりがちです。その場合、冬は閉室時間が早いぶん、午後の滞在時間が短くなります。冬場に訪れるなら、キトラ古墳周辺を午前に入れて、午後に村の中心部へ移動する逆ルートも検討してみてください。
注意したいのは、壁画実物の公開時間は9時30分~16時30分(最終受付16時15分)で、地階展示室の閉室時間とは別に決まっていることです。公開期間中は、1階と地階の両方の締め切りを頭に入れておきましょう。
休館日は水曜と「4・7・11・2月の第2月曜日」、年末年始も休み
休館日は、水曜(祝日の場合は翌平日)、4・7・11・2月の第2月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始(12月29日~1月3日)です。
見落としやすいのが「4・7・11・2月の第2月曜日」です。月曜は博物館の休館日として意識する人が多い一方で、四神の館はふだんの月曜は開館しているため、かえってこの4つの月だけの月曜休館を忘れがちです。特に11月は紅葉シーズンで明日香へ出かける家族が増える時期なので、三連休を月曜にからめて計画する場合は要注意です。
祝日と重なった場合の振替ルールも、水曜は「翌平日」、第2月曜日は「翌日」と表現が違います。祝日明けに出かける計画なら、公式サイトの開館カレンダーで当日の開館を確認してから出発しましょう。
国営飛鳥歴史公園の施設案内ページだけを見て「水曜も開いている」と思い込み、壁画公開の日に出かけてしまうケースが考えられます。原因は、四神の館全体の休館日は運営する奈良文化財研究所のページで水曜休館とされていること、さらに1階(文化庁の保存管理施設)は水曜と作業日にも閉室することです。対策は、休館日は奈良文化財研究所の四神の館公式サイトで確認し、壁画目当ての日は文化庁の公開ページの閉室日(第41回なら9月30日(水)・10月14日(水))もあわせて見ておくことです。
1階だけが閉まる「作業日」と臨時閉室に注意
1階の文化庁キトラ古墳壁画保存管理施設は、水曜に加えて作業日にも閉室します。壁画の保存作業のための閉室なので、公開期間外でも期間中でも起こりうる点を覚えておきましょう。
実際に2026年は、8月31日(月)~9月2日(水)と9月16日(水)~9月18日(金)に1階展示室の臨時閉室がありました。この期間も地階展示室は通常どおり見学できるため、「今日は模型と映像、体験学習室を中心に楽しむ日」と切り替えれば、せっかくのおでかけが無駄になることはありません。
小学生の子が「本物を見たい」と楽しみにしている場合ほど、当日の空振りはショックが大きいものです。出発前の朝に公式サイトのお知らせを開く習慣をつけておくと安心です。
車と電車、どっちがラク?駐車場とデマンド交通の段取り
車なら無料の第一・第二駐車場、合わせて普通58台分
車で行く場合は、国営飛鳥歴史公園のキトラ古墳周辺第一駐車場(無料・普通18台、身障者用2台、大型6台)と、キトラ古墳周辺第二駐車場(無料・普通40台、身障者用2台)が使えます。どちらも料金は無料です。
ベビーカーや抱っこひも、着替えやお弁当など荷物が多くなりがちな乳幼児連れには、車がいちばん身軽な選択肢です。第一駐車場は台数が少なめなので、満車だったら迷わず第二駐車場に回る、と最初から決めておくと、駐車場の前で慌てずに済みます。
注意点として、壁画の実物公開期間中や週末は、来館者が集中して第一駐車場が埋まりやすくなることが想定されます。また、周辺の高松塚周辺地区駐車場は令和8年9月1日から休止中で、再開は令和12年頃の予定です。明日香の古墳めぐりで以前と同じ駐車場を使うつもりだと予定が崩れるので、行く前に確認しておきましょう。
電車なら壺阪山駅から徒歩15分、飛鳥駅からは徒歩30分
公共交通の場合、最寄りは近鉄吉野線です。四神の館の案内では、壺阪山駅より徒歩15分、飛鳥駅より徒歩30分とされています。明日香観光の玄関口として飛鳥駅を思い浮かべる人が多いのですが、キトラ古墳だけが目的なら壺阪山駅のほうが近いことは覚えておきたいポイントです。
小学生なら壺阪山駅からの徒歩15分は無理のない範囲ですが、未就学児連れの場合は、アップダウンのある道で子どもが疲れてしまうことも考えておきましょう。帰り道は遊び疲れて抱っこをせがまれることも多いので、抱っこひもを持っていくと安心です。
飛鳥駅から歩く徒歩30分は、大人だけならのどかな散策路ですが、幼児連れには長めの距離です。夏場は日差しを遮るものが少ない区間もあるので、飲み物と帽子は必須と考えてください。
あすかデマンド乗合交通は1人500円、小学生未満は無料
飛鳥駅から徒歩30分は厳しい、という家族に向いているのが「あすかデマンド乗合交通」です。明日香村の予約制の乗合交通で、村民だけでなく「どなたでもご利用できます」とされています。停留所「キトラ古墳・四神の館」と「飛鳥駅」は、来訪者も使える共通停留所です。
料金(現金のみ)は1人500円/1回(小学生未満無料)です。未就学児は無料なので、「大人2人+幼児」の家族なら大人2人分だけで済みます。運行は毎日(年末年始12月29日~1月3日は運休)、午前9時~午後5時で、月~金は2台、土日祝は1台で運行しています。
注意点は、来訪者の予約がWEB予約のみ(電話予約不可)で、事前登録が必要なことです。予約は2週間前からできます。土日祝は1台での運行なので、希望の時間が埋まる可能性も考えて、行く日が決まったら早めに予約しておきましょう。なお、以前走っていた明日香周遊バスの飛鳥キトラ線(飛鳥駅~キトラ)は令和4年12月1日に廃止され、デマンド交通に切り替わっています。古いブログ記事の「周遊バスでキトラへ」という情報は今は使えません。
| 行き方 | 移動の目安 | 費用 | 向いている家族 |
|---|---|---|---|
| 車 | 第一・第二駐車場 | 駐車場は無料 | 乳児連れ・荷物が多い |
| 壺阪山駅から徒歩 | 徒歩15分 | 追加費用なし | 小学生連れ |
| 飛鳥駅から徒歩 | 徒歩30分 | 追加費用なし | 歩くのが好きな高学年 |
| 飛鳥駅からデマンド交通 | WEB予約制 | 1人500円/1回(小学生未満無料) | 幼児連れ・祖父母同伴 |
失敗パターン②:当日飛鳥駅で「デマンドに乗れない」と気づく
ありがちなのが、飛鳥駅に着いてから「キトラ古墳行きのバスはどこ?」と探し、周遊バスの飛鳥キトラ線がもう無いことに気づくパターンです。原因は、デマンド交通が来訪者はWEB予約のみ(電話予約不可)で、しかも事前登録が必要な仕組みであることを知らないまま出かけてしまうことです。駅で慌てて登録しようとしても、希望の時間に空きがなければ、幼児を連れて徒歩30分の道を歩くことになります。
対策はシンプルで、行く日が決まったら事前登録を済ませ、2週間前からの予約枠で往復分を押さえておくことです。壁画の実物公開に申し込んでいる場合は、入室時間から逆算して、余裕のある便を予約しましょう。
もう一つの対策は、最初から壺阪山駅を使うルートにしておくことです。壺阪山駅なら徒歩15分なので、デマンド交通の予約が取れなかった場合の保険にもなります。「行きは壺阪山駅から歩き、帰りは疲れた子どものためにデマンド交通で飛鳥駅へ」といった組み合わせも考えられます。

子連れで気になる授乳室・トイレ・お弁当はどうなっている?
四神の館の館内には授乳室がある
乳児連れにとって最初に確認したい授乳室は、四神の館の館内に用意されています。国営飛鳥歴史公園の案内に「館内には授乳室をご用意しています」と明記されているので、授乳のタイミングを気にせず展示を見に行けます。
明日香村の古墳めぐりでは、屋外の史跡が中心になるため、授乳できる屋内施設は限られがちです。キトラ古墳周辺でのんびり過ごす日は、四神の館を授乳の拠点と考えて行動計画を立てるとスムーズです。たとえば、到着したらまず館内で授乳とおむつ替えを済ませ、そのあと古墳鑑賞広場や四神の広場へ出る、という流れにすると、外で慌てずに済みます。
ベビーカーでの館内移動については、公式サイトの主要ページでは詳しい案内が見当たらないため、ベビーカーで地階展示室まで回りたい場合は、四神の館に電話で確認してから出かけると安心です。
周辺地区の多目的トイレにはおむつ替えシートとベビーチェア
キトラ古墳周辺地区の多目的トイレは車イス対応で、おむつ替えシートやベビーチェアなどが設置されています。休憩スペースや水飲み場も併設されているので、公園で遊んだあとの手洗いや水分補給にも使えます。
おむつ替えシートがあるかどうかは、乳幼児連れの屋外おでかけで一番困るところです。ベビーチェアもあるので、親がトイレを使う間に赤ちゃんを座らせておけるのは、ワンオペのおでかけでは大きな助けになります。
注意点として、飛鳥歴史公園のほかの地区では施設の休止が進んでいます。国営飛鳥歴史公園館は令和8年4月1日から休止中で、隣接する休憩所・トイレは令和8年11月末頃まで利用可能とされています(キトラ古墳周辺地区は対象外)。高松塚周辺で休憩する予定の人は、この点を押さえておきましょう。
四神の広場は地区いちばんの芝生広場、お弁当を広げられる
四神の館のそばにある「四神の広場」は、キトラ古墳周辺地区の最も大きな芝生広場です。公式の案内でも、お弁当を食べたり、ゆったりくつろいだりできる広場として紹介されています。
展示を見て少し座りっぱなしになった子どもが、思いきり走り回れる場所があるのは、子連れにはうれしいところです。レジャーシートを持っていけば、ピクニック気分でお昼にできます。館内で学んだ四神の名前を思い出しながら「朱雀は南、玄武は北」と方角遊びをするのも、この広場ならではの楽しみ方です。
注意点は、日差しと天候です。芝生広場は屋外なので、夏場は帽子と飲み物、冬場は防寒具が欠かせません。雨の日は広場で遊べないため、四神の館の地階展示室と体験学習室を中心にしたプランに切り替えましょう。
| 子連れにうれしい点 | 気をつけたい点 |
|---|---|
| 入館料が無料で短時間の立ち寄りも気軽 館内に授乳室、周辺に多目的トイレ 芝生の四神の広場でお弁当と外遊び 土日祝は体験学習室で勾玉づくり | 水曜休館、1階は作業日も閉室 壁画の実物は期間限定・事前申込制 駅から歩くと徒歩15分〜30分 デマンド交通は事前登録とWEB予約が必要 |
年齢別に楽しみ方を変えると、滞在がぐっとラクになる
四神の館は、年齢によって楽しみ方を変えると親子とも満足しやすい施設です。乳児連れなら、授乳室のある館内と芝生広場の往復で、親が展示を見る時間を少し取る程度で十分です。無料なので「今日は少しだけ」と割り切れます。
未就学児なら、地階展示室の映像と原寸大の石室模型で「四神探し」をしたあと、四神の広場で体を動かす組み合わせがおすすめです。小学生なら、土日祝の体験学習室で勾玉づくりに挑戦し、壁画公開期間には実物を見て「模型と本物の違い」を比べると、学びの深い一日になります。
祖父母と一緒のおでかけなら、車で来て第一駐車場か第二駐車場に止め、歩く距離を短くするのが基本です。デマンド交通を使う場合も、祖父母の分の運賃(1人500円/1回)を用意しておきましょう。料金は現金のみなので、小銭を持っていくと乗り降りがスムーズです。
展示が面白くなる、キトラ古墳の基礎知識
二段築成の小さな円墳、今は古代の大きさに復元されている
キトラ古墳は二段築成の円墳で、下段直径13.8m、上段直径9.4m、高さ3.3mです。築造時期は7世紀末から8世紀初頭頃とされています。平成12年7月31日に史跡、同年11月24日に特別史跡に指定されました。
発掘調査を経て埋め戻されたあと、2015(平成27)年に古代の大きさに復元されていて、古墳鑑賞広場から姿を一望できます。「大きな前方後円墳」を想像していると、こぢんまりとした丸い古墳に意外な印象を持つかもしれません。子どもには「この中に、さっき見た部屋があったんだよ」と、館内の原寸大模型とつなげて話すと実感がわきます。
注意点として、古墳の中に入ることはできません。石室の様子を知るには、四神の館の地階展示室の模型と映像が頼りになるので、古墳を見る前か後に必ず館内に寄るよう計画しておきましょう。
四神・十二支像・天文図・日月像、壁画に描かれていたもの
石室の床面を除く壁面には、四神・十二支像・天文図・日月像の壁画が描かれていました。石室は大阪府と奈良県境の二上山産の凝灰岩切石18個からなります。
四神は東の青龍、西の白虎、南の朱雀、北の玄武という方角を守る神獣で、施設名の「四神の館」もここから来ています。天文図は、現存するものでは東アジア最古の天文図といわれています。小学生の高学年なら、「昔の人は星空をどう描いたのか」という視点で展示を見ると、理科と歴史の両方につながる発見があります。
十二支像は獣の頭に人の体をもつ「獣頭人身」の姿で描かれています。干支を覚え始めた子どもなら「自分の干支はどれかな」と探すだけでも十分楽しめます。
意外と知られていないけれど、壁画の実物は長い年月でもろくなり、日本で初めての本格的な壁画取り外しによって保存されてきたものです。実物は色が薄い部分もあるため、幼児がいきなり見ても「何の絵?」となりがち。先に地階展示室の高精細映像と原寸大模型で「どこに何が描かれているか」を知っておくと、実物を見たときに子どもが自分で青龍や朱雀を見つけられます。公開期間外の来館は「予習の回」として十分に意味があるのです。
壁画はなぜ古墳の外にある?日本初の本格的な取り外し
文化庁は2003(平成15)年から石室内の調査を始めました。その結果、壁画はそのままにしておくとやがて崩れてしまうほどもろい状態だと分かり、2004(平成16)年8月から日本で初めての本格的な壁画の取り外しが行われました。
こうして取り外された壁画が、いま四神の館1階の文化庁キトラ古墳壁画保存管理施設で保存され、期間限定で公開されているわけです。「どうして古墳じゃなくて、ここに絵があるの?」という子どもの素朴な疑問に答えられるよう、親が知っておくと会話が弾みます。
保存が最優先の施設なので、公開期間や閉室日は保存作業の都合で決まります。見学の日程を自由に選べないのは不便に感じるかもしれませんが、次の世代に壁画を残すためのルールだと子どもに伝えるのも、よい学びのきっかけになります。
2026年7月、「飛鳥・藤原の宮都」として世界遺産に
令和8年7月26日、韓国・釜山で開かれた第48回世界遺産委員会で、「飛鳥・藤原の宮都」の世界文化遺産への登録が決まりました。英名は Ancient Capitals of Asuka and Fujiwara です。
飛鳥歴史公園では、構成資産のうち5つの資産を見ることができ、キトラ古墳周辺地区では「キトラ古墳」と「檜隈寺跡」が構成資産にあたります。石舞台地区の石舞台古墳、高松塚周辺地区の高松塚古墳・中尾山古墳とあわせて、明日香の世界遺産をめぐる拠点の一つになりました。
世界遺産登録の直後は、これまでより来訪者が増えることが予想されます。週末や連休は駐車場やデマンド交通の予約が埋まりやすくなる可能性があるので、平日に行ける家庭は平日を、週末なら午前の早い時間を狙うのが段取りのコツです。
「飛鳥・藤原の宮都」世界遺産登録決定のお知らせ(国営飛鳥歴史公園)
高松塚壁画館とどう違う?はしごするときの回り方
壁画の違いは「朱雀」「白虎の向き」「人物像の有無」
明日香には、キトラ古墳と並んで壁画で知られる高松塚古墳があります。明日香村の資料では、キトラ古墳の特徴として、朱雀が残っていたこと、白虎が北を向いていること、人物像が無く獣頭人身の十二支像が描かれていること、星宿図ではなく内規・外規・黄道・天の赤道などを描いた天文図であることが挙げられています。
高松塚古墳は、昭和47年に彩色壁画(国宝)が発見されて一躍有名になった古墳です。両方を見比べると、同じ時代の壁画でも描かれている内容が違うことがよく分かります。小学生なら「キトラにあって高松塚にないもの」を探す見比べクイズにすると、2つの施設をはしごしても飽きにくくなります。
注意点として、高松塚古墳の本物の壁画は現在修復中のため見学できません。高松塚壁画館で見られるのは、極彩色壁画の模写や復元模型です。
| 住所 | 奈良県高市郡明日香村大字平田439 |
| 電話番号 | 0744-54-3340 |
| 営業時間 | 9:00~17:00(入館は16:30まで) |
| 定休日 | 12月29日~翌1月3日及び4、7、11、2月の第2月曜日(祝日の場合は翌平日) |
| 駐車場 | 国営飛鳥歴史公園 高松塚周辺地区駐車場(2026年9月1日より利用休止。再開は令和12年頃の予定) |
| 公式サイト | 公式サイト |
奈良おでかけノート調べ:2つの壁画施設の比較表
はしごを考えている家族のために、公式情報をもとに2つの施設の基本データを並べました。入館料や休館日が違うので、両方をまわる日は「どちらも開いている日」を選ぶのが大前提です。
| 比較項目 | 四神の館 | 高松塚壁画館 |
|---|---|---|
| 入館料(大人) | 無料 | 300円 |
| 入館料(小・中学生) | 無料 | 70円 |
| 開館時間 | 9:30~17:00(12月~2月は16:30まで) | 9:00~17:00(入館は16:30まで) |
| 主な休館日 | 水曜、4・7・11・2月の第2月曜日、年末年始 | 4・7・11・2月の第2月曜日、年末年始 |
| 壁画の実物 | 期間限定・事前申込制で公開 | 修復中のため見学不可(模写・復元模型) |
| 周辺の駐車場 | 第一・第二駐車場(無料) | 高松塚周辺地区駐車場は休止中 |
高松塚壁画館の入館料は、一般300円、大学・高校生130円、中学・小学生70円で、10名以上の団体なら一般250円、学生100円、小人50円です。家族4人でも数百円で入れる料金設定なので、四神の館と組み合わせても出費は小さく抑えられます。
高松塚周辺地区駐車場は令和12年頃まで休止、車のはしごは要注意
車で2つの壁画施設をはしごする場合、最大の注意点は駐車場です。国営飛鳥歴史公園の高松塚周辺地区駐車場は令和8年9月1日から休止していて、再開は令和12年頃の予定です。国営飛鳥歴史公園館も令和8年4月1日から休止しています。
キトラ古墳周辺地区の第一・第二駐車場はこの休止の対象外なので、四神の館だけなら今までどおり車で行けます。一方、高松塚側は「着いたら駐車場が閉まっていた」とならないよう、車を止める場所を事前に決めておく必要があります。
車で行く家族は、四神の館をメインにして、高松塚は時間と駐車場のめどが立ったら寄る、という優先順位にしておくと計画が崩れにくくなります。休止の詳細は国営飛鳥歴史公園のお知らせで確認しておきましょう。

家族のタイプ別、キトラと高松塚の組み合わせ方
乳児連れなら、無理にはしごをせず、授乳室のある四神の館と芝生の四神の広場だけで一日を組むのがいちばんラクです。車で第一駐車場か第二駐車場に止めれば、移動の負担も最小限で済みます。
未就学児連れなら、四神の館で映像と模型を楽しみ、広場でお弁当を食べて帰る半日プランがちょうどよい長さです。高松塚まで足を延ばすと移動が増えるので、子どもの体力に余裕がある日だけにしましょう。
小学生連れや歴史好きの家族なら、両方の壁画施設をまわって見比べる一日コースが向いています。公開期間中なら、まず四神の館で国宝の実物を見て、そのあと高松塚壁画館で模写と復元模型を見ると、「本物」と「模写」の違いまで比べられます。祖父母同伴なら、歩く距離を減らすため、デマンド交通や車をうまく組み合わせてください。

まとめ:キトラ古墳壁画体験館 四神の館は「無料の地階」と「申込制の1階」を分けて考える
まずは行きたい日が水曜や第2月曜日に当たっていないかを四神の館の公式サイトで確かめ、電車で行くなら壺阪山駅ルートか、あすかデマンド乗合交通の事前登録を済ませるところから始めてみてください。壁画の実物を見たい家族は、文化庁の公開ページで次の公開日程と空き状況をチェックしておくと、親子で「本物の四神」に出会える一日を計画できます。
※開館時間・休館日・公開日程・交通の運行内容は変更されることがあります。最新情報は各公式サイトでご確認ください。

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