「奈良駅に着いたけれど、東大寺までは歩ける?バスに乗るべき?」――奈良には近鉄奈良駅とJR奈良駅の2つの“奈良駅”があり、どちらで降りたかによって東大寺までの段取りがまるで変わります。ベビーカーを押しながら、鹿に気を取られる子どもの手を引きながら歩く道のりは、地図で見るより長く感じるものです。
先に結論をお伝えすると、近鉄奈良駅からは登大路を東へ徒歩約20分、JR奈良駅からは市内循環バスで「東大寺大仏殿・春日大社前」まで行き、そこから徒歩5分というのが東大寺公式の案内です。バス運賃は奈良市内均一の大人250円。土日祝なら、近鉄奈良駅から「奈良公園ぐるっとバス」で大仏殿のすぐ近くまで行く選択肢も加わります。
この記事では、奈良おでかけノート編集部が東大寺・奈良県・奈良交通の公式情報をもとに、2つの奈良駅それぞれからの行き方、乗るべきバスと降りるバス停、1-Day Passの損得、東大寺に着いてからの拝観料・おむつ替え・授乳の段取り、車で行く場合の駐車場までを1本にまとめました。
・近鉄奈良駅とJR奈良駅、それぞれから東大寺への一番ラクな行き方
・市内循環バスとぐるっとバスの乗り場・降りるバス停・運賃
・東大寺の拝観時間と料金、おむつ替え・授乳・ロッカーの場所
・車で行く場合の駐車場(令和8年10月の料金改定と秋のP&R)
奈良駅から東大寺へは「近鉄かJRか」で最適ルートが変わる

近鉄奈良駅からなら、歩いて約20分で大仏殿エリアへ
近鉄奈良駅で降りたなら、基本は歩きで大丈夫です。東大寺公式の交通案内は「近鉄奈良駅から、登大路町を東へ徒歩約20分」としていて、徒歩ルートの起点はこの近鉄奈良駅になっています。駅を出て東へ向かう登大路は、奈良県庁や奈良国立博物館の方向へ続く広い通りで、途中から奈良公園の芝生と鹿が見えてきます。
小学生くらいの子なら、鹿を眺めながら歩く20分はそれ自体がお楽しみの時間になります。祖父母と一緒の三世代旅でも、ゆっくり歩けば無理のない距離です。一方で、抱っこが必要な1〜2歳の子や、歩き疲れやすい未就学児がいる場合は、近鉄奈良駅からでもバスを使う価値があります。後で詳しく触れますが、近鉄奈良駅から「東大寺大仏殿・春日大社前」まではバスで約4分です。
注意したいのは、20分は「東大寺の敷地まで」の目安で、大仏殿の中に入るまでにはさらに南大門から参道を歩く時間がかかることです。帰りは子どもが疲れているぶん、行きより時間がかかりがち。帰り道だけバスにする、という組み立て方も覚えておくと気がラクです。
JR奈良駅からは「市内循環バス」が公式案内のルート
JR奈良駅で降りた場合、東大寺公式が案内しているのは「JR奈良駅・近鉄奈良駅から市内循環バス『東大寺大仏殿・春日大社前』下車徒歩5分」というバスのルートです。徒歩ルートの案内は近鉄奈良駅起点のみで、JR奈良駅から歩いた場合の分数は公式には示されていません。
JR奈良駅は近鉄奈良駅よりも西にあり、東大寺までは近鉄奈良駅からの道のりにさらに駅間の移動が加わります。大阪・京都方面からJR線で来た子連れ家族なら、駅の東口からバスに乗ってしまうのがいちばん体力を温存できます。奈良県が公表している奈良交通のパンフレットでは、JR奈良駅東口2のりばから2系統で「東大寺大仏殿・春日大社前」まで乗車時間は約11分です。
ベビーカー連れ、雨の日、夏の暑い日、冬の夕方などは迷わずバスを選んでよい場面です。ただし観光シーズンの土日はバス車内が混み合い、ベビーカーをたたむ必要が出ることもあります。混雑が気になるときは、時間をずらすか、後半で紹介するタクシーという選択肢も検討してください。
徒歩・バス・タクシーを比べると、子連れの正解は年齢で決まる
結論からいうと、小学生以上なら近鉄奈良駅から徒歩、未就学児・ベビーカー連れならバス、荷物が多い・祖父母の足が心配ならタクシーが目安です。奈良おでかけノートが公式情報から組んだ比較表を見てください。
| 移動手段 | 出発地・乗り場 | 所要時間の目安 | 大人の料金 |
|---|---|---|---|
| 徒歩 | 近鉄奈良駅から登大路を東へ | 約20分 | かからない |
| 市内循環バス | JR奈良駅 東口2のりば(2系統) | 乗車約11分+徒歩5分 | 250円 |
| 市内循環バス | 近鉄奈良駅 のりば1(2・163系統) | 乗車約4分+徒歩5分 | 250円 |
| ぐるっとバス | 近鉄奈良駅 R1(土日祝中心) | 10:10発→10:27着(時刻表上) | 250円 |
| タクシー | どちらの駅からも | 道路状況による | メーター制 |
※奈良おでかけノート調べ(東大寺公式 交通案内、奈良県 奈良公園ぐるっとバス、奈良県公表の奈良交通路線パンフレットより作成)
タクシーを使う場合、東大寺公式FAQによると降車場所は「東大寺大仏殿西側の指図堂前」です。南大門から長い参道を歩かずに大仏殿の近くで降りられるので、祖父母同伴や、子どもが寝てしまったときの帰り道に向いています。注意点として、観光シーズンは奈良公園周辺の道路自体が混むため、バスもタクシーも時間が読みにくくなります。
どちらの駅で降りるか迷ったら、近鉄奈良駅を選ぶ理由
大阪難波や京都から来る場合、どちらの路線でも奈良に着けるなら、東大寺目的なら近鉄奈良駅で降りるのがおすすめです。理由は3つあります。1つ目は、東大寺公式の徒歩案内がそもそも近鉄奈良駅起点であること。2つ目は、市内循環バスの乗車時間が約4分と短いこと。3つ目は、土日祝に走る「奈良公園ぐるっとバス」の始発が近鉄奈良駅(R1)であることです。
シーン別にいうと、ベビーカー連れの乳児家族は「近鉄奈良駅→バス4分→徒歩5分」、元気な小学生がいる家族は「近鉄奈良駅→徒歩で鹿を見ながら」、JR沿線に住んでいて乗り換えを増やしたくない家族は「JR奈良駅→バス約11分」、と分けると迷いません。
一方、JRの青春18きっぷや、JR線の定期券・ICカード事情でJR奈良駅着が便利な家族もいるはずです。その場合も、バスに乗れば東大寺までの段取りは難しくありません。大事なのは「JR奈良駅から近鉄奈良駅と同じ感覚で歩こう」としないこと。ここが最初の分かれ道です。
市内循環バスはどこから乗って、どこで降りればいい?
JR奈良駅は「東口2のりば」から2系統に乗る
JR奈良駅からバスで東大寺へ向かうなら、乗り場は東口2のりば、系統は2系統(市内循環・外回り)です。奈良県が公表している奈良交通の路線パンフレットの表では「2 東口2 東大寺大仏殿・春日大社前 11分」と記載されています。同じパンフの見出しには「JR奈良駅から約8分」ともあるため、道路状況しだいで8〜11分程度と考えておくと安心です。
市内循環バスは奈良県のアクセスナビによると毎日運行、運行時間は6:00〜23:00で、内回り(1系統)・外回り(2系統)ともに約15分間隔です。朝早く東大寺に着いて人の少ない時間に大仏殿を見たい家族にも、夕方まで奈良公園で遊んだ家族にも使いやすい本数があります。
子連れで気をつけたいのは、JR奈良駅の東口にはいくつものバスのりばが並んでいることです。似た行き先のバスもあるため、乗る前に「2系統」「東口2」の表示を確認してから並びましょう。時刻は奈良交通の「奈良バスなび」で当日の平日・土休日ダイヤを確認しておくと、ホームで待つ時間を短くできます。
近鉄奈良駅は「のりば1」から乗れば約4分
近鉄奈良駅からバスに乗る場合は、のりば1から2系統または163系統で「東大寺大仏殿・春日大社前」へ向かいます。乗車時間は約4分。徒歩約20分の道のりが、バスなら座っているうちに到着する計算です。
「4分のためにバス?」と思うかもしれませんが、子連れの場合はこの4分の価値が大きいです。たとえば、新幹線や特急で長時間移動してきた後の1歳児、昼寝のタイミングと重なった2歳児、片手に荷物・片手に子どもの状態のパパやママ。こうした場面では、20分歩いてから大仏殿の長い参道をさらに歩くより、バスでショートカットしたほうが、肝心の大仏殿で子どもの機嫌が保てます。
なお、パンフレットの表には77・97系統で近鉄奈良駅のりば1から「東大寺大仏殿」まで4分、という行き方も載っています。こちらはバス停名が「東大寺大仏殿」で、市内循環の「東大寺大仏殿・春日大社前」とは名前が違います。乗る系統によって降りるバス停の名前が変わる点を覚えておきましょう。
降りるのは「東大寺大仏殿・春日大社前」、そこから徒歩5分
市内循環バスで降りるのは「東大寺大仏殿・春日大社前」です。東大寺公式は、ここから徒歩5分と案内しています。バス停名に「春日大社」も入っているので、「春日大社に行くバス停で降りていいの?」と不安になる方もいますが、東大寺へ向かうならこのバス停で正解です。
バス停から大仏殿へは、南大門をくぐって参道を北へ進む流れになります。南大門の大きな金剛力士像を見上げるのは、小学生くらいの子にとって最初の見せ場。大仏殿に入る前に、門の下で「左右の顔の違いを探してみよう」と声をかけると、子どもが飽きずに歩いてくれます。
注意したいのは、南大門と大仏殿を結ぶ参道には自転車・バイクは入れないことと、参道沿いにも鹿がたくさんいることです。バスを降りてすぐ鹿せんべいを買うと、鹿に囲まれて小さな子が泣いてしまうことがあります。せんべいは大人が持ち、子どもには1枚ずつ渡すくらいがちょうどいいです。
運賃は大人250円、子どもとICカードの扱いも確認
市内循環バスの運賃は、奈良市内均一制で大人(中学生以上)250円です。この運賃は2024年2月1日から220円→250円に改定されたもので、古いガイドブックや数年前のブログでは旧運賃が残っていることがあります。家族の交通費を見積もるときは250円で計算してください。
子どもの運賃は、奈良交通の運賃案内によると小学生が普通運賃の半額(10円単位に切り上げ)です。6歳未満は大人1人につき1人まで無賃なので、パパ・ママそれぞれが未就学児を1人ずつ連れていれば、子どもの運賃はかかりません。未就学児が大人の人数より多い場合は、超えた分の運賃が必要になる点に注意しましょう。
支払いは、奈良交通バスでは全国の交通系ICカードが使えます。両替の手間がいらないので、子どもを抱っこしたまま乗り降りする場面ではICカードが圧倒的にラクです。ただし東大寺の拝観料は現金のみなので、バスはICカード、拝観料は現金、と分けて準備しておくと当日もたつきません。
状況:ネットで見た「奈良駅から徒歩約20分」を信じてJR奈良駅から歩き出し、奈良公園に着く前に子どもが「抱っこ」。大仏殿に着いた頃には親も子もぐったり。
原因:東大寺公式の「徒歩約20分」は近鉄奈良駅起点の案内です。JR奈良駅は近鉄奈良駅よりも西にあり、同じ感覚では歩けません。
対策:JR奈良駅で降りたら、東口2のりばから2系統のバスに乗るのが公式案内のルートです。歩きたい場合も、帰りはバスにするなど片道だけにしておくと体力が持ちます。
土日祝なら「奈良公園ぐるっとバス」が使える?

近鉄奈良駅から「東大寺大仏殿」まで乗り換えなしで行ける
土日祝に出かけるなら、奈良県が運行する「奈良公園ぐるっとバス」も選択肢になります。近鉄奈良駅(R1)を出発し、奈良公園バスターミナル・県庁前(R2)、大仏殿前駐車場(R3)を経て「東大寺大仏殿」(R4)に停まり、その先は二月堂・手向山八幡宮前、若草山麓、春日大社本殿、浮見堂・高畑駐車場、ならまち・元興寺と奈良公園エリアをぐるりと回って近鉄奈良駅に戻るルートです。
奈良県アクセスナビの時刻表では、近鉄奈良駅10:10発の便が「R4 東大寺大仏殿」に10:27着。運行時間は10:00〜17:00で、20分間隔(1時間に3便)です。近鉄奈良駅の発車は10:10〜16:50、東大寺大仏殿の時刻は10:27〜17:07となっています。
市内循環バスより乗車時間は長めですが、大仏殿のバス停に直接着けるのが魅力です。東大寺の後に二月堂や春日大社、浮見堂まで足を延ばしたい日にもそのまま使えます。注意点は朝が10時台からと遅めなことで、朝いちばんに大仏殿へ行きたい家族は市内循環バスを使いましょう。

運賃は大人250円・小学生130円、6歳未満のルールに注意
ぐるっとバスの運賃は大人(中学生以上)250円、小児(小学生)130円です。2025年4月にルート・運賃などが変更され、以前は100円で乗れた時期もあったため、古い情報を見て「ワンコインで乗れる」と思い込まないよう注意しましょう。
6歳未満の扱いは少し細かく、小学生以上のお客様1人につき1人まで無賃、2人目以降は1人あたり130円です。また1歳未満は人数に関わらず無賃です。たとえば大人1人で3歳と5歳の2人を連れて乗る場合は、1人分の幼児運賃がかかる計算になります。双子や年子の未就学児を大人1人で連れていく場面は意外と多いので、事前に頭に入れておくと小銭で慌てません。
支払いは現金・CI-CA・全国の交通系ICカードのほか、各種フリー乗車券でも利用できます。後で紹介する1-Day Passもぐるっとバスに使えます。問い合わせ先は奈良県産業部観光局奈良公園室で、受付は平日9:00〜17:00です。
運行日は土日祝が基本、正倉院展の時期は平日も走る
ぐるっとバスの運行日は土日祝が基本で、観光シーズンは平日も運行します。2026年の秋は、10/24(土)〜11/9(月)が正倉院展期間のため平日も運行と案内されています。一方、12/13(日)は奈良マラソン開催のため運休です。
平日に出かける家族は、まず当日が運行日かどうかを奈良県アクセスナビの運行日カレンダーで確認しましょう。運行していない平日は、市内循環バスで「東大寺大仏殿・春日大社前」へ向かえば問題ありません。毎日・約15分間隔の市内循環バスは、ぐるっとバスの“控え”として覚えておくと安心です。
秋の正倉院展の時期は奈良公園周辺に人が集中し、バスもタクシーも混み合います。ぐるっとバスが平日も走るのはありがたい反面、乗りたい便が満員で見送りになる可能性もあります。子連れでこの時期に動くなら、午前の早い時間に東大寺へ入り、混み始める昼前後は芝生で休憩、という順番にするとストレスが減ります。
東大寺公式の「旧ルート名」に惑わされない
ここは意外と知られていないポイントです。東大寺公式の交通案内には、ぐるっとバスについて「大宮通ルート」「奈良公園ルート」といった表記があります。しかし奈良県は「2025年4月から、奈良市中心部で運行している『ぐるっとバス』のルート・運賃などを変更します」と案内しており、現在は「奈良公園ぐるっとバス」として運行されています。
つまり、東大寺公式だけを見てバス停でルート名を探すと、該当する表示が見つからず戸惑うことがあります。ぐるっとバスの時刻・運賃・運行日については、運行主体である奈良県のアクセスナビを正として確認するのが確実です。
実は、東大寺への「行き方」の情報源は、拝観料や時間などのお寺の情報とバスの情報で、確認すべき公式が違います。お寺のことは東大寺公式、バスのことは奈良県・奈良交通、駐車場のことは奈良県のアクセスナビ。この切り分けを知っているだけで、情報の食い違いに迷う時間がぐっと減ります。
拝観時間・拝観料・境内設備は東大寺公式の拝観案内、ぐるっとバスと駐車場は奈良県 奈良公園アクセスナビ、市内循環バスの運賃は奈良交通の運賃案内が一次情報です。
1-Day Passは東大寺だけなら元が取れない?
大人600円・小児300円で奈良公園エリアのバスが1日乗り放題
「奈良公園・西ノ京世界遺産1-Day Pass」は、奈良公園・西ノ京エリアの奈良交通バスとぐるっとバスが1日乗り放題になる乗車券です。料金は大人600円、小児300円。2024年4月1日から、大人500円→600円、小児250円→300円に改定されています。
有効期間は販売日当日限りで、前日に買っておいて翌日使う、ということはできません。販売場所は奈良交通の近鉄奈良案内所・JR奈良案内所で、販売時間は平日8:30〜19:00、土日祝8:30〜18:00です。どちらの奈良駅で降りても、駅前の案内所で手に入るのは子連れには助かるポイントです。
注意点として、改定前の500円の情報がまだネット上に残っています。家族分の予算を組むときは、大人600円・小児300円で計算してください。また、6歳未満の子は大人と一緒ならバス運賃がかからない場合が多いため、未就学児の分まで買う必要があるかは、人数構成に合わせて考えましょう。
東大寺の往復だけなら、普通に払うほうが安い
ここが逆張りのポイントです。「奈良観光にはフリーパス」と考えがちですが、奈良駅から東大寺を往復するだけなら1-Day Passは元が取れません。市内循環バスの大人運賃は250円なので、往復で500円。1-Day Passの600円より安く済みます。
特に近鉄奈良駅から来る家族は、行きは徒歩、帰りだけバス、という組み合わせも現実的です。この場合バス代は片道250円で済むので、パスを買う理由はさらに薄くなります。ICカードで乗ればそのまま支払えるので、「とりあえずパスを買う」のはやめておきましょう。
パスが向くのは、東大寺の後に春日大社や浮見堂、ならまちなど複数の場所をバスで移動する日です。乗り降りが3回以上になりそうなら、1枚で済むパスのほうが小銭のやり取りも減り、子どもを連れての乗り降りがスムーズになります。
パスが活きるのは「東大寺+もう1〜2か所」をバスで回る日
1-Day Passが本領を発揮するのは、たとえば土日に近鉄奈良駅からぐるっとバスで東大寺大仏殿へ、そのまま二月堂・手向山八幡宮前、春日大社本殿、浮見堂・高畑駐車場と移動して、最後にならまち・元興寺から近鉄奈良駅へ戻るようなコースです。乗るたびに運賃を払う必要がないので、子どもが「次のバス停で降りたい」と言っても気軽に対応できます。
小学生がいる家族なら、小児300円のパスを持たせて「自分の切符」として管理させるのも、ちょっとした社会科体験になります。祖父母と三世代で回る場合も、歩く距離をバスで細かく短縮できるのは大きなメリットです。
注意点は、ぐるっとバスは10:00〜17:00の運行で、平日は運休日があることです。平日にパスを買うなら、ぐるっとバスが走らない日でも市内循環バスなどで元が取れるか、移動の回数を数えてから買いましょう。1日で回りきれないほど予定を詰め込むと、子どもの体力が先に尽きてしまいます。
買う場所と、買う前に確認したい3つのこと
1-Day Passは、奈良交通の近鉄奈良案内所またはJR奈良案内所で買えます。どちらも通年販売で、時間は平日8:30〜19:00、土日祝8:30〜18:00です。奈良駅に着いたら、まず案内所でパスを買い、そのまま近くののりばへ向かう流れが効率的です。
買う前に確認したいのは、①その日の乗車回数が3回以上になりそうか、②ぐるっとバスが運行している日か、③6歳未満の子の運賃がかかる人数構成か、の3つです。この3つを確認してから買えば、「結局ICカードで払ったほうが安かった」という後悔は防げます。
注意点として、パスは販売日当日限り有効です。夕方に買って翌日の朝に使う、といった使い方はできません。また、パスの対象範囲は奈良公園・西ノ京エリアで、一部の区間や路線は対象外になる場合があります。遠回りのルートを組むときは、奈良県のアクセスナビで対象を確認してから乗りましょう。
詳しくは奈良県アクセスナビの1-Day Pass案内で、販売場所と対象エリアを確認できます。
子連れで歩くなら知っておきたい道のりと鹿の注意

登大路を東へ、芝生と鹿を眺めながら進むルート
近鉄奈良駅から歩く場合は、駅を出て登大路を東へ進むのが東大寺公式の案内ルートです。道は広い歩道が続き、途中から奈良公園の芝生と鹿が見えてきます。子どもにとっては「どこに鹿がいるか探す」だけで飽きずに歩ける道のりです。
年齢別にいうと、小学生ならこの道を歩くこと自体が奈良観光の楽しみになります。3〜5歳は、途中で休憩を挟めば歩ける子が多い距離です。ベビーカーの乳児連れは、歩道が広いので押して進めますが、鹿の近くを通るときはベビーカーの荷物かごに食べ物を入れたままにしないよう気をつけましょう。
注意したいのは、夏場は日差しを遮るものが少ない区間があることです。水分を持ち、帽子をかぶせ、途中の木陰で休みながら進みましょう。冬の夕方は暗くなるのが早く、大仏殿の拝観時間も短くなるので、帰りはバスを使うと安全です。
奈良公園の鹿は「かわいい」だけではない
奈良公園の鹿は野生動物です。奈良県の資料によると、令和7年度の鹿による人身事故件数(R7.12.31現在)は日本人30件、外国人80件で、合わせて110件にのぼります。うち病院搬送は19件、角のある鹿による事故は37件と報告されています。
子連れで特に気をつけたいのは、鹿せんべいを持った瞬間です。せんべいを見ると鹿が一気に近寄り、背の低い子どもは押されたり、服の裾をくわえられたりすることがあります。せんべいは大人が持ち、子どもには1枚ずつ渡す、あげ終わったら両手を広げて「もうない」と見せる、という手順を事前に家族で決めておくと落ち着いて楽しめます。
また、奈良県は鹿せんべい以外の給餌を禁止しています。パンやお菓子を鹿にあげるのはやめましょう。県は春の子育て期と秋の発情期に注意喚起の看板を設置しています。秋は鹿が気が立ちやすい時期なので、角のある鹿には近づかないよう子どもに伝えておきましょう。
鹿せんべいを子ども1人に束で持たせると、鹿に囲まれて泣いてしまうことがあります。せんべいは大人が管理し、1枚ずつ手渡すのが安全です。鹿せんべい以外の食べ物を鹿にあげるのは禁止されています(奈良県の資料)。
ベビーカーと抱っこひも、どちらで行くか
東大寺までの道のりと境内は広いので、ベビーカーがあると移動はラクです。ただし東大寺公式のFAQ・拝観案内では、ベビーカーで入れる範囲についての記載は主要ページでは見当たりません。大仏殿の中に持ち込めるかなど、気になる点は当日、大仏殿入口前の警備詰所で確認するか、東大寺に電話で問い合わせてください。
シーン別にいうと、寝てしまった赤ちゃんを移動させるならベビーカー、段差や混雑が気になるなら抱っこひもが便利です。両方を持っていき、大仏殿の中では抱っこひも、外の移動はベビーカー、と使い分ける家族もいます。
荷物が多くなる場合は、東大寺ミュージアムの券売所裏にコインロッカーがあります。大仏殿を見る前にミュージアム周辺で荷物を預けておけば、境内を身軽に回れます。車椅子の貸出もあり、予約制ではなく、大仏殿入口の入堂券売場または大仏殿入口前の警備詰所へ声をかける方式です(台数に限りあり)。
自転車・タクシーで近づく場合のルール
レンタサイクルなどで東大寺へ向かう場合、東大寺公式は「必ず南大門南西に位置する駐輪場に駐車してからご参拝ください」と案内しています。南大門と大仏殿を結ぶ参道、および大仏殿出入口前の参道は、人や鹿と接触する恐れがあるため自転車・バイクで進入できません。
子ども乗せ自転車で来る場合も同じで、駐輪場に停めてから歩いて大仏殿へ向かいます。参道は鹿と観光客が多く、自転車を押して歩くのも周りに気を遣う場面が多いので、駐輪場に停めてしまうのが一番スムーズです。
タクシーの場合は、東大寺大仏殿西側の指図堂前が降車場所です。南大門を通らずに大仏殿の近くで降りられるため、祖父母の足が心配な場合や、雨の日の移動に向いています。ただし南大門の金剛力士像は見どころの1つなので、余裕があれば帰り道に南大門を通って出口へ向かうルートを取ると、見逃しがありません。

「東大寺まで来たけれど、大仏殿の前は人でいっぱい。子どもが少しのびのび歩ける場所はないかな」。奈良公園を子連れで歩いていると、そんなふうに一息つける場所を探した…
奈良駅から東大寺に着いたら?拝観時間・料金と子連れ設備
| 住所 | 〒630-8587 奈良市雑司町406-1 |
| 電話番号 | 0742-22-5511 |
| 営業時間 | 大仏殿 4月〜10月 7:30〜17:30 / 11月〜3月 8:00〜17:00。法華堂(三月堂)・戒壇院戒壇堂 8:30〜16:00 |
| 定休日 | 特別な行事、緊急事態がない限り、無休 |
| アクセス | 近鉄奈良駅から登大路町を東へ徒歩約20分(東大寺公式)。JR奈良駅・近鉄奈良駅から市内循環バス「東大寺大仏殿・春日大社前」下車徒歩5分(東大寺公式) |
| 駐車場 | 境内に専用駐車場なし。近隣パーキングを利用(GSパーク東大寺西大門駐車場(有料)/奈良市押上町6-1) |
| 公式サイト | 公式サイト |
大仏殿は4月〜10月なら7:30から、11月〜3月は8:00から
東大寺大仏殿の拝観時間は、4月〜10月が7:30〜17:30、11月〜3月が8:00〜17:00です。法華堂(三月堂)と戒壇院戒壇堂は8:30〜16:00。休みは「特別な行事、緊急事態がない限り、無休」と案内されています。
子連れには、朝の早い時間を狙うのがおすすめです。観光バスの団体が増える前の時間帯なら、大仏殿の中も比較的ゆったりしていて、子どもに大仏を見せながら話をする余裕があります。市内循環バスは6:00から走っているので、早起きの家族なら開門すぐに大仏殿へ入ることもできます。
注意したいのは、11月〜3月は閉門が早くなることです。冬の午後に奈良公園でたっぷり遊んでから東大寺へ向かうと、大仏殿に入る時間が足りなくなることがあります。東大寺を先に回り、そのあと公園で遊ぶ順番にすると、時間切れの心配がありません。
拝観料は大人800円・小学生400円、現金のみ
大仏殿の入堂料は、大人(大学生以上)・高校生・中学生が800円、小学生が400円です。大仏殿と東大寺ミュージアムのセット券は、大人(中学生以上)1,200円、小学生600円で販売されています。
| 区分 | 大仏殿 | 東大寺ミュージアム | セット券 |
|---|---|---|---|
| 大人・高校生・中学生 | 800円 | 800円 | 1,200円 |
| 小学生 | 400円 | 400円 | 600円 |
| 小学校就学前 | 東大寺へ確認を | 無料 | ― |
大事なのは、支払いが現金のみであることです。クレジットカードや旅行会社のクーポンは使えません。また、大仏殿・法華堂・戒壇堂・東大寺ミュージアムは、それぞれで入堂料が必要です。家族4人で複数のお堂を回るなら、現金は多めに用意しておきましょう。拝観の予約や事前申込は受け付けていないので、当日そのまま入堂券売場に並べば大丈夫です。
東大寺の拝観料は現金のみ、拝観の予約は不要です。大仏殿・法華堂・戒壇堂・東大寺ミュージアムはそれぞれ入堂料が必要なので、回るお堂の数に合わせて現金を準備しておきましょう。
おむつ替えはミュージアム地下、授乳は警備詰所へ相談
子連れで一番気になるのが、おむつ替えと授乳の場所です。東大寺公式FAQによると、おむつ交換台は東大寺ミュージアム地下1階の多目的トイレにあります。授乳室はありませんが、必要な方は警備詰所へ行けば、空いていれば部屋を貸してもらえます。
赤ちゃん連れなら、大仏殿に入る前にミュージアム地下でおむつ替えを済ませておくと、大仏殿の中で慌てずに済みます。授乳が必要になりそうな月齢の子なら、授乳ケープを持っていくと、部屋が空いていないときにも対応しやすくなります。
境内には車椅子対応トイレが4箇所あり、AEDも設置されています。場所は境内案内図で確認できます。注意点として、おむつ交換台のある場所はミュージアム地下1階で、大仏殿から少し離れています。境内を回る順番を考えるとき、「おむつ替え・ロッカー・休憩はミュージアム周辺」と覚えておくと動きやすいです。
雨の日は東大寺ミュージアムを組み込む(10/6〜10/10は休館)
雨の日に東大寺へ行くなら、東大寺ミュージアムを組み込むと屋根の下で過ごせる時間が増えます。開館時間は4月〜10月が9:30〜17:30(最終入館17:00)、11月〜3月が9:30〜17:00(最終入館16:30)。入館料は大人(中学生以上)800円、小学生400円で、小学校就学前(6歳未満)は無料です。
| 住所 | 〒630-8587 奈良市雑司町406-1(東大寺境内) |
| 電話番号 | 0742-20-5511 |
| 営業時間 | 4月〜10月 9:30〜17:30(最終入館17:00)/ 11月〜3月 9:30〜17:00(最終入館16:30) |
| 定休日 | なし(展示替、施設点検等で臨時休館あり)。2026年10月6日(火)〜10月10日(土)は展示替えのため休館 |
| アクセス | 東大寺境内(東大寺の交通案内に準ずる) |
| 駐車場 | 東大寺には駐車場はございません |
| 公式サイト | 公式サイト |
小学生なら、大仏殿で大仏の大きさ(像高14.98m)を体感した後に、ミュージアムで東大寺の仏像や宝物を見る流れが学びにつながります。展示室は5つあり、雨で外の移動を減らしたい日にちょうどいいボリュームです。未就学児の家族は、入館無料なので、おむつ替えのついでに少しのぞいてみる使い方もできます。
注意点として、2026年10月6日(火)〜10月10日(土)は展示替えのため東大寺ミュージアムが休館します。この期間も総合文化センター内のホール・図書館・ミュージアムショップ・カフェ・休憩スペースは利用できると案内されていますが、展示は見られません。休館日以外にも展示替えや施設点検で臨時休館があるので、出かける前に公式で確認しましょう。
大阪・京都・神戸から奈良駅へ、そして車で行く場合は?
大阪難波から約40分、京都から約50分で近鉄奈良駅へ
東大寺公式の交通案内によると、近鉄奈良線の大阪難波駅から近鉄奈良駅までは約40分、近鉄京都線の京都駅から近鉄奈良駅までは約50分、阪神なんば線の三宮駅から近鉄奈良駅までは約80分です。東大寺公式は、いずれも「近鉄奈良駅」到着を前提に案内しています。
大阪や京都から子連れで日帰りするなら、乗り換えが少なく、東大寺に近い近鉄奈良駅に着くルートが組みやすいです。神戸からも阪神なんば線経由で近鉄奈良駅まで乗り換えなしで来られるのは、ベビーカー連れには大きなメリットです。
注意点として、出発駅や利用する列車の種類によって運賃や所要時間は変わります。運賃や特急料金は、近鉄・JR西日本の公式サイトで出発駅から調べてください。子どもが電車で長時間座っていられるかも、移動ルートを決める大事な判断材料になります。
東大寺に専用駐車場はない、近隣の駐車場を使う
車で行く場合に最初に知っておきたいのは、東大寺の境内には専用駐車場がないことです。東大寺公式は「境内には専用駐車場がございませんので、近隣の駐車場をご利用ください」と案内し、近隣パーキングの例としてGSパーク東大寺西大門駐車場(有料)を挙げています。
奈良県が運営する奈良登大路自動車駐車場は、令和8年10月1日(木)から料金が改定され、平日(県庁開庁日)1,500円/回、休日2,000円/回、特定日(春秋観光シーズン、年末年始など)3,000円/回です。同じタイミングで奈良高畑・奈良大仏殿前の駐車場料金も改定されています。
車でのアクセスは、東大寺公式によると名神京都南ICから京奈和自動車道経由で約60分です。注意したいのは、休日や特定日は駐車料金が上がるうえ、奈良公園周辺の道路が混み合うことです。秋の行楽シーズンの土日に子連れで車を使うなら、次に紹介するP&R駐車場も検討してください。
状況:カーナビで「大仏殿前の駐車場」を目的地にして向かったら、利用できる対象が限られていて停められず、周辺を何周もすることに。後部座席の子どもはぐずり出し、到着が大幅に遅れる。
原因:奈良県の案内では、奈良大仏殿前自動車駐車場は身体障害者や車椅子利用者など歩行が困難な方の利用に限られます。
対策:出発前に、奈良登大路自動車駐車場などの近隣駐車場か、秋の土日祝ならP&R駐車場を目的地に設定しておきましょう。
秋の土日祝はP&R駐車場(無料)+バスという手も
奈良県は春・秋の観光シーズンの土日祝に、観光駐車場(P&R駐車場)を開設しています。2026年秋の開設期間は10/17(土)〜11/23(月祝)の土日祝(14日間)、受付時間は8:00〜15:00です。
主な駐車場は、国道24号高架下駐車場(無料・147台)、奈良市役所駐車場(無料・200台)、平城宮跡前P&R駐車場(無料・100台)、奈良県コンベンションセンター駐車場(無料・先着97台/1日)などです。P&Rを使うと、バス往復券(250円×2枚)が乗車人数分配布され、P&Rシャトルバスや路線バス(163/164系統・28/29系統)で奈良公園方面へ向かえます(一部区間は利用不可)。
子連れには、奈良公園周辺の渋滞を避けられるのが最大のメリットです。チャイルドシートを付けた車は駐車場に置いて、バスで移動します。注意点は、受付が15:00までであることと、紅葉シーズンは朝から駐車場が埋まりやすいことです。午前中の早い時間に着くよう出発しましょう。

車と電車、子連れならどちらが段取りしやすい?
子連れで東大寺へ行く場合、車と電車のどちらが向いているかは、子どもの年齢と季節で変わります。乳児連れでおむつや着替えなど荷物が多い家族、チャイルドシートが必要な家族は車が便利です。一方、観光シーズンの土日は駐車場探しと渋滞のストレスが大きくなるため、電車+バスのほうが到着時刻を読みやすくなります。
| 車で行くメリット | 車で行くデメリット |
|---|---|
| 荷物を車に置いておける 子どもが車内で昼寝できる 秋の土日祝はP&R駐車場が無料で使える | 東大寺に専用駐車場がない 登大路の休日料金は2,000円/回 観光シーズンは周辺道路が混み合う |
シーン別にまとめると、平日に乳児連れで行くなら車、秋の土日にきょうだい連れで行くならP&Rか電車+バス、祖父母同伴なら電車+タクシー(指図堂前で降車)が段取りしやすい組み合わせです。どの方法を選んでも、東大寺の拝観料は現金のみという点は共通なので、現金の準備は忘れないようにしましょう。
まとめ:奈良駅から東大寺は「降りる駅」を決めれば迷わない
奈良駅から東大寺への行き方は、近鉄奈良駅とJR奈良駅のどちらで降りるかで決まります。近鉄奈良駅なら登大路を東へ徒歩約20分、またはのりば1からバスで約4分。JR奈良駅なら東口2のりばから2系統のバスで「東大寺大仏殿・春日大社前」へ向かい、徒歩5分で到着です。土日祝は近鉄奈良駅から「奈良公園ぐるっとバス」で東大寺大仏殿まで直行することもできます。
東大寺に着いたら、大仏殿の拝観料は大人800円・小学生400円で、支払いは現金のみ。おむつ交換台は東大寺ミュージアム地下1階の多目的トイレ、授乳は警備詰所に相談、荷物はミュージアムの券売所裏のコインロッカーへ。車で行くなら東大寺に専用駐車場はないので、近隣駐車場か、秋の土日祝ならP&R駐車場を使いましょう。鹿せんべいは大人が持ち、子どもには1枚ずつ渡すのが安全です。
まずは、出発前に「どちらの奈良駅で降りるか」と「拝観料の現金」を家族で確認するところから始めてみてください。それだけで、当日の段取りがぐっとスムーズになります。
※料金・時間・運行日は変更される場合があります。最新情報は東大寺・奈良県・奈良交通の公式サイトでご確認ください。

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